元F1最高経営責任者のバーニー・エクレストンは、メルセデスのルイス・ハミルトンが2019年もチャンピオンの最有力候補であったとしても、最終的にフェラーリとセバスチャン・ベッテルの年になると考えている。
2019年の初めに、フェラーリ内ではマッティア・ビノットが新たにチーム代表に就任するという変化があったが、エクレストンはこのことを肯定的に見ている。
「(元チーム代表の)マウリツィオ・アリバベーネはいくつか変革を起こそうとしていたが、フェラーリ内部の関係者たちと協調できなかったのだ」とエクレストンは、イタリアの『Corriere della Sera』紙のインタビューで答えた。
「マッティア・ビノットは(アリバベーネとは)非常に異なるタイプだ。彼はフェラーリで25年仕事をしている。彼は会社と、自分と仕事をする人々を理解しており、迅速な意志決定を行う」
ベッテルと親しい友人関係にあり、彼とよく話をしている88歳のエクレストンは、2019年は最終的にベッテルがチームにタイトルをもたらすだろうと見ている。
「我々は友人であり、話をしたり助言を交わしたりしている。それに、スイスで新年をともに過ごした」
「今回はフェラーリがベッテルとともに勝利を収めると信じている。チームの雰囲気やマシンについても素晴らしいと感じている。タイトル候補がハミルトンだとしてもだ」
エクレストンはベッテルをグリッド上で最も頭の切れるドライバーのひとりだと見ているが、もう少し自分を出すように彼に促している。
「彼は非常に知的で、あらゆる分野に興味を持っている」
「だが彼は控えめなのだ。彼はレースが終わるとすぐに、妻と子供達の待つ家に帰る。ルイスとはまったく正反対だ」
「私が彼に何を勧めたかというと、もっと自分を出して、彼が(外側から見た姿とは)違う人間だということを示すべきだと言ったのだ」
「セブ(ベッテルの愛称)のことは信用できる。彼は人間として“本物”だよ。私は彼を盲目的に信頼している。金額が空欄の小切手を渡してもいい」
ベッテルの落ち着いた性格は、彼の最大のライバルであるハミルトンのきらびやかなスタイルとはまさに対照的だ。だがエクレストンによると、ハミルトンはF1にとって“最高”の面と“最低”の面を表しているという。
「彼はユニークだ。F1にとって、最高で最低のドライバーだ」
「最高な面は、彼は誰にもましてF1を宣伝するやり方を分かっていることだ。最低な面は、彼はF1への注目を彼自身の方へ奪い取ってしまうことだ」
「彼は間違ったことは何もしていない。だが他のドライバーたちも目を覚まして、彼らの個性を見せなければならない」