スポーツペサ・レーシングポイントF1チームのセルジオ・ペレスは、2019年シーズンよりチームに加入したランス・ストロールにはスピードと技術面におけるフィードバックが備わっており、チームを前進させるために重要な役割を担う能力を持ち合わせていると考えている。
2018年の夏、レーシングポイントF1の前身であるフォースインディアは破産申請を行った。そして申請後のチームを買収したのが、ランスの父であるローレンス・ストロールが率いるコンソーシアム(投資家集団)で、これに伴いランスもレーシングポイントF1へと移籍することになった。
ストロールは大勢の人々から『ペイドライバー』だとみなされているが、この2シーズンを苦戦続きのウイリアムズで過ごしてきたことを考えると、彼は潜在的な才能の一片を示していた。あとはその才能が開花することが求められる。
バルセロナで行われたプレシーズンテストの間、ペレスは実際にストロールの技術を見る機会を得たが、彼は自分の目にしたものに感心したという。
「彼のレベルやスピードには驚いた」とペレスは話した。
「だけど僕が最も驚かされたのは、彼のフィードバックだった。他の若手ドライバーには見ることのできないものだ」
「最近では、若いドライバーは入念な準備ができている。だけど経験が足りていないと、人々は彼らのフィードバックを見て『ああ、彼らにはマシンの知識が足りていない』と言う。でも僕は、大いに彼に驚かされた」
「彼は非常に良い方向にチームを導くことができると思う」
またペレスは、ストロールの父が率いるコンソーシアムがチームを買収したことや、ストロール自身のパフォーマンスを理由に、彼を否定的に判断する人々に拒否感を示した。
ストロールがF1にデビューした2017年、ウイリアムズは他チームと比べても劣勢の立場にあり、特に2018年についてはウイリアムズのマシン『FW41』が大幅に遅れをとっていたとペレスは考えている。
「もし人々がF1で最後尾にいるドライバーを見たら、本当にひどいドライバーだと思うだろうが、95%はマシン次第なのだということを彼らは忘れている」
「パフォーマンスの劣るマシンに乗っているドライバーを判断するのは本当に難しいことだ」
一方のストロールも、チームメイトとなるペレスとの間に問題はないという。今週末のメルボルンで2019年シーズンのF1が開幕すれば、ストロールはペレスにとって真っ先に倒さなくてはならない相手になる。
「僕は最高の仕事をするためにここにいる。これまでチームメイトになったドライバー全員に打ち勝ってきた。だからランスを相手にしても同じことをしたい」
「それをすることが僕の義務だ。もしそうできなければ、僕はここにいなかっただろう」
「モチベーションを持っているし、良い結果を出すためにここにいる。そのアプローチができないのならば、家にいた方がいい」