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改元は寂しくも楽しみたい「平成世代」と冷静な「昭和世代」 まち選びでは「平成世代」は“職住近接”重視、ブランド志向も

2019年03月13日 17:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「平成世代」と「昭和世代」、暮らしに関する意識は違う?
いよいよ「平成」も残すところ約50日となった。そこで5月1日の改元を前に、「平成世代」と「昭和世代」の“暮らし”に関する意識調査が実施され、その結果がこのたび発表された。10代・20代の「平成世代」と30代・40代・50代の「昭和世代」では、どのような違いがあるのか。また改元に対する“思い”にも顕著な差があることが判明した。

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この「平成世代と昭和世代の暮らし意識調査」は、「UR賃貸住宅」を手がけるUR都市機構が今年2月に実施したもの。16~59歳の男女1,000人(内訳は10~50代の各年代ごとに男性100名・女性100名)を対象に調査した。

まず「あなたは都会と田舎どちらに住みたいですか?」と聞いたところ、平成・昭和の両世代とも最多は「どちらかと言えば都会」となり、「都会」を選択した人も含めると、平成世代では56.8%、昭和世代では 55.2%といずれも“都会派”が過半数を超えた。その一方で「田舎」または「どちらかと言えば田舎」を選んだ“田舎派”は38.5%の平成世代の方が、35.8%の昭和世代よりも若干多いという結果に。平成世代も昭和世代と同程度に田舎を好んでいることが分かった。


次に、自分が住む「まち」を決める際に、何を重視するか質問した。トップには、平成世代(58.0%)、昭和世代(62.5%)とも、「買い物環境の充実」が選ばれた。平成世代では、これと同率で「職場・学校の近く」も最多となっており、昭和世代の41.3%に比べて「職住近接」を重視する傾向が見られる。他に世代で差があるのは「友人の近く」(14.5%)、「まちのブランド」(11.5%)が平成世代では多く、自分が住むまち・コミュニティに根差した生活を希望し、ブランド重視の傾向もうかがえる。一方で昭和世代は「医療サービスの充実」(43.3%)が、平成世代(26.8%)に大きく差をつけた。


続けて、自分が住む「住宅」を決める際に、何を重視するか質問したところ、平成世代では「家賃/価格」(80.3%)がトップに。お金に関する「仲介手数料・更新料の金額」(21.0%)も平成世代が、昭和世代を上回り、より“現実的”な傾向が読み取れる。また、平成世代は「広さ」(61.5%)、「キッチンなどの最新設備の充実」(37.0%)、「デザイン性」(34.0%)の各項目で昭和世代を5~10ポイント上回っており、現実的ながらも“SNS映え”するような広さや設備、おしゃれさを求める傾向があるようだ。逆に昭和世代が平成世代を大きく差をつけて上回ったのは、「日当たり」(68.3%)と「隣にどんな人が住んでいるか」(41.3%)の2項目だった。


では“ご近所づきあい”など人間関係は、世代間で差があるだろうか。今住んでいる地域での家族以外との関わりについては、平成世代・昭和世代ともに半数以上が「ある」と回答。さらに「ある」と答えた人にその内容を聞いたところ、「ご近所(挨拶程度)」が両世代ともに約7割で最多だったが、昭和世代は「ご近所(立ち話程度)」も56.2%いて、平成世代の32.7%に差をつけた。一方、関わりが「ない」と答えた人は、その理由を「地域の人と知り合う機会がない」とする人が両世代で最多となった。昭和世代では「ご近所付き合いは面倒くさい」(42.6%)が平成世代の25.8%に大きく差をつけ、「人付き合いが苦手」と回答した人も39.4%いた。昭和世代は、平成世代よりも立ち話などでご近所と親睦を深める人が多い反面、人付き合いに苦手意識を持っている人も多く、人付き合いをする人としない人に2分化される傾向にあるのかもしれない。


最後に「平成から新元号に変わることについて」聞いたところ、平成世代では「『平成』が終わるのは寂しい」が 31.8%で最多(昭和世代は18.2%)だった。また「新しい時代への期待感がある」「平成の最後に何か思い出を作りたい」「これを機会に新たなことに挑戦したい」「新元号に変わる際のカウントダウンを楽しみたい」「新元号の記念グッズを集めたい」「新元号に変わった瞬間をSNSに投稿したい」などが昭和世代より軒並み5ポイント以上高く、改元を楽しもうとする姿勢が見受けられる。しかし昭和世代のトップは「元号が変わっても何も変わらない」(38.8%)であり、「あまり興味がない」(19.5%)という人も平成世代を上回り、2度目となる改元に冷静な様子がうかがえる。


調査を実施したUR都市機構は、前身の日本住宅公団が設立された昭和30年から平成31年に至るまで「UR賃貸住宅」の運営・管理、大都市および地方都市での都市再生、防災や復興支援などの事業を通して長年、安全、安心な住まい・まちづくりを進めてきたという。新元号では人々の暮らしはどのようになるのか興味深い。
(TechinsightJapan編集部 高沢みはる)