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NEWS、なぜコンセプチュアルな楽曲多い? 振付担当する杉谷一隆をゲストに迎えたラジオを聞いて

2019年03月13日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 NEWSの小山慶一郎がパーソナリティを務めるラジオ『KちゃんNEWS』(文化放送)の3月5日放送回に、振付稼業air:manの杉谷一隆がゲストとして登場。杉谷といえばNEWSのライブ演出を担当しており、多くの楽曲の振付も手がけてきた、NEWSには欠かせない存在だ。


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 彼らと杉谷の初仕事は「weeeek」(2007年)を起用したCMだったと振り返るふたり。当時は、まだ6人だったNEWS。そこからメンバーの脱退があり、一時期はグループ存続の危機にも直面した。4人体制で初めて発表した楽曲「チャンカパーナ」の振付も杉谷が担当。苦しい時期も、ずっと4人と共に歩み続けてきた戦友でもある。


 小山の頭の中で、きっと様々な風景が駆け巡ったのだろう。「もう長いよねー……」としみじみ噛み締めたと思ったら、「なんでこんなにNEWSを嫌がらずやってくれるんですか?」と、ど直球な質問が飛び出した。思わず口をついて出たからなのか、自分で聞きながら笑ってしまう小山。だが、「それぞれメンバーのクセもあるし、グループとしてもどういう方向性だっていうのもいろいろリクエストがくるなかで、なんでこんな続けてくださるんですか?」と、質問の意図を真剣に伝える。


 すると、杉谷は「ひとことで言うと、好きなんですよね。シンプルに好きです」と明快に回答。「なんで好きかっていうと、なんでも嫌がらずにやられるじゃないですか、結構エッジが立った曲も。真っ白なキャンバスで、どんなふうにも染まるというか。それは単純にクリエイティブ冥利に尽きますよね」。


 確かにNEWSの楽曲は他のジャニーズアイドルと比べても、コンセプチュアルなものが目立つ。その世界観を創り上げるためには、メンバーの集中力が欠かせない。少しでも躊躇した瞬間に、その空気が壊れてしまうからだ。NEWSの4人は、そのスイッチに迷いがない。なぜそれができるのかは、この後に続く小山の言葉に凝縮されている。


 「これはね、僕ら側が欲してるんですよ。次はどうくる? 杉谷さん! って。この楽曲をどう振付してくれるの? って」。そして、毎回どういう動きを作ってくれたのかVTRを見るのが「楽しみだ」と話した小山。どんな言葉にも勝る、リスペクトと愛を感じられる表現だ。


 「必ず良いものを作ってくれる」という期待。それを「100%で応えてくれる」という信頼。まさに両想いの関係なのだから、それは一緒に仕事をしていてワクワクしないはずがない。そして、同時に両想いなのは、動きを作る杉谷と楽しむメンバーだけではないことにも気づく。クリエイターと共にライブを創り上げるNEWSと、ファンの間にも「良いものを見せてくれるに違いない」という期待と、「それを一緒に楽しんでくれるに違いない」という信頼が、そのまま当てはまる。その期待と信頼を裏切ることなく寄り添い、歩み続けた結果が、NEWSならではの楽曲、そしてライブ演出に繋がっているのだ。


 最新アルバム『WORLDISTA』を引っさげて、静岡、福岡、北海道、宮城、福井、広島、大阪、埼玉、長野を巡るツアーを、3月9日よりスタートさせたNEWS。番組後半では、今回のライブでファンにも真似してほしい“バワリーポーズ”の解説も。“バワリー”とは、『WORLDISTA』のテーマとなっている仮想空間で集めていくポイントのようなもの。「親指と人差し指でOKポーズを作り、手の甲を外に向けて、中指・薬指・小指を口元につける」と説明する杉谷の横で、中指・薬指・小指の部分が『WORLDISTA』の頭文字“W”になっているのを「すごくない?」と興奮してスタッフに伝える小山。いつもこんなふうに新しい振付を見るたびに、こうして楽しんでいるのだろうと思うと微笑ましくなる。


 「こっちは味をしめましたよ。あ、出てくれるんだなって(笑)。ここに、シゲ、増田、手越がいてもいいかもしれない!」と、話がまだまだ尽きないといった様子の小山は、また杉谷をゲストに呼ぶ気満々。こちらとしても相思相愛のメンバーと杉谷のトークを、ぜひまた聞きたいところだ。そして、ツアーに参加するファンの方は、ぜひライブ会場にいるトレードマークの大きな帽子をかぶった杉谷を見つけて、バワリーポーズで挨拶をしてみてほしい。きっと杉谷、メンバー、ファンの間でキャッチボールされる愛情こそが、また新たなワクワクを生む熱量になるはずだから。(文=佐藤結衣)