2019年シーズンのF1の開幕も、いよいよ今週末となり、レッドブルとホンダへの期待も確実に高まってきている。そんななか、レッドブル・ホンダの初優勝を期待されるマックス・フェルスタッペンに、トラブルの続いたプレシーズンテストや、2019年型マシン『RB15』のポテンシャルなどを訊いた。
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──2019年のレッドブル・ホンダ初優勝は、どのグランプリで成し遂げられそうですか?
マックス・フェルスタッペン(以下、フェルスタッペン):わお。いきなり、そこ?(笑) う~ん、わからないね。
──毎年レッドブルが苦戦するメルボルンは、ないでしょうね。
フェルスタッペン:そうかも。でもとにかく今は、なんとも言えない。開幕戦で大事なのは、パッケージとしての新車の戦闘力を見極めること。プレシーズンテストでは、それは不可能だったからね。『RB15』の長所と短所をしっかり確認して、そこから改めてマシン改良の作業を始めていく。
とはいえ、ホンダと初めて組んだ今シーズンが、これから続く成功の日々の最初の1年になることを心から期待している。これまでのレッドブルのマシン開発力とチーム力からすれば、少なくともメルセデスとフェラーリに並ぶパフォーマンスは発揮できるはずと、個人的には思っているけどね。
ただしホンダとの関係は始まったばかりだし、こなしていくべき課題も多いはず。そこはずっと同じ体制を続けてきたメルセデス、フェラーリに比べると、不利な部分なのは否定できない。とはいえ課題が見つかれば、すぐに反応して改善していけると思っている。レッドブルの持つその種の適応力は、本当に凄い。なので全然、心配してないよ。
──テストではレースシミュレーションも、一発の速さを試すこともできませんでした。しかしそんな状況でも、RB15のポテンシャルはある程度見えているのではないかと思います。対メルセデス、フェラーリで、どこまで戦えそうな手応えを感じてますか。
フェルスタッペン:今季のフェラーリがかなり強力なパッケージなのは、まちがいないね。でも僕らも決して、大きく負けているわけじゃない。レースシミュレーションは途中で終わってしまったし、特に終盤のスティントが試せないのは痛かった。タイヤも全部のコンパウンドを試せていない。
でもそこまでの周回を分析したことで、ある程度(ポテンシャルが)見えてきているからね。そこではっきりわかったのは、ロングランペースは悪くないということだ。
もちろん、まだまだ改良すべき点は多い。でも冬のテストは、とにかく特殊だからね。さらに言えば開幕戦のメルボルンもオーソドックスなコースとは言いがたいし、開幕戦ならではのいろんなハプニングが起きる。だから開幕戦の結果で、あまり一喜一憂しすぎない方がいいとも思っているよ。
――では開幕戦での具体的な目標は、言えませんか?
フェルスタッペン:そうだね。できるだけたくさんのポイントを獲る、ということぐらいかな。正直言って、メルボルンでの勝利は予想していない。でも表彰台か、それに近い成績を上げられれば、シーズンのスタートとしては上出来だと思う。
■フェルスタッペン「ホンダのパワーユニットは全く問題なかった」
――新車RB15をひとことで表現すると、どんなマシンですか。
フェルスタッペン:まだ走り始めたばかりだけど、その段階でもフィーリングは悪くない。乗っていて、決して不愉快なマシンじゃない。同じ時点での1年前のRB14より、快適に感じてるのは間違いないね。今のところは、文句はないよ。
たださっきも言ったように、まだ全然本来のポテンシャルを発揮しているレベルじゃないからね。やるべきことは山ほどあるし、今後はレース本番を戦いながら、それをこなしていかないといけない。
──とはいえマシン自体の素性はいいと。
フェルスタッペン:それは、間違いない。
──ホンダとの関連で言うと、ドライバビリティはどうですか。
フェルスタッペン:すごくいいね。それに関しては、最初からまったく問題なかった。
──2018年のレッドブル・ルノーと比べても?
フェルスタッペン:もちろん。エンジン特性の違いは、すぐにわかった。ホンダ製パワーユニットの挙動は、すぐに好ましいと感じたよ。