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WRC:3戦連続表彰台で低迷抜けたシトロエン、「オジエの才能をあらためて見せつけられた」

2019年03月12日 12:51  AUTOSPORT web

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セバスチャン・オジエはラリー・メキシコの7SSでトップタイムを刻む快走
2019年シーズン開幕3戦を終えたWRC世界ラリー選手権。シトロエン・レーシングは、新車両規定が導入された2017年から2年連続でマニュファクチャラーズランキング最下位と低迷してきたが、2019年は序盤3戦を終えてランキング2位につけている。チームのピエール・ブダール代表は、この結果はセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)の影響が大きいとした上で「才能をあらためて見せつけられた」と絶賛した。

 今シーズンはオジエとエサペッカ・ラッピのふたりをレギュラードライバーに起用しているシトロエンは、シーズン開幕戦の第1戦モンテカルロでオジエが優勝を飾ると、第2戦スウェーデンではラッピが総合2位、第3戦メキシコではふたたびオジエが勝利して、過去2年とは一転しシーズン序盤から好成績を残している。

 その結果、マニュファクチャラーズランキングではTOYOTA GAZOO Racing WRTと8点差の2位。ドライバーズランキングではオジエが首位のオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)と4点差の2位につけた。

 オジエが通算5回目、シトロエンが通算8回目の勝利を収めたラリー・メキシコを終えて、ブダール代表は「ラリー・メキシコを制するのは一筋縄ではなく、今回の勝利はチームの努力が実った結果だ」とコメントしている。

「高い標高と外気温の組み合わせは、このイベントを人間だけでなく、マシンにも厳しい環境だ。しかし、チームスタッフのひとりひとりが自分の仕事を完璧にこなしてくれた。この勝利はそのご褒美というわけだ」

「ほかのイベントとは特徴の異なる戦いではあるが、シーズン最初のグラベルラリーで勝利するのはポジティブなことなんだ。このあとのシリーズ戦はグラベルラリーが多く、この状況下でC3 WRCが高いポテンシャルを秘めていることが証明されたのだからね」

「開幕3戦を終えて、全戦で表彰台を獲得した。ドライバーラインアップを一新して臨んでいることを考えれば想定していた以上の結果だよ。この結果はセバスチャン(オジエ)とジュリアン(イングラシア/コドライバー)のふたりが最高の働きをしてくれていることが大きい」

「このコンビはつねに高いスピードと高度な戦略の立案力、反射能力とマネジメント能力を発揮してくれている。こんなことは誰もが承知している事実だろうけど、あらためて才能を見せつけられた気分だ」

 一時は総合4番手につけたものの、SS10でステージ中止となるスピンを起こし、最終的にポイント圏外でラリー・メキシコを終えたラッピについては「小さなミスで大きな代償を払うことになった。ただ、彼らはラリー・メキシコでの経験が少ないなかで速さを発揮してくれた。グラベルのマシンフィーリングにも満足していると聞いているから、このあとのシーズンが楽しみだ」と述べている。