3月9日に、東京の神宮外苑の公道をレッドブルのF1マシンがデモ走行するというイベント『Red Bull Showrun Tokyo』が開催された。そのイベントの開催実行委員長を務めたのが、衆議院議員でモータースポーツ振興議員連盟の会長でもある古屋圭司議員だ。その古屋議員に、イベント後にお話を伺った。
――明治神宮外苑いちょう並木をF1マシンが駆け抜けるという素晴らしいイベントでした。
古屋圭司:(以下、古屋)多くの皆さんが詰めかけ、こうして無事に終えることができて、いまはホッとしています。ご協力頂いた関係者の皆さんには感謝申し上げたい。
※今回のイベントは、外務省、国交省、港区、英国大使館が後援し、本田技研工業、アストンマーティンジャパンリミテッドの協力のもと、オーストリア大使館、青山商店会連合会、青山一丁目・二丁目商栄会ら、多くの団体によって構成された国際トップモータースポーツ体験事業実行委員会が主催によって運営された。
――関東では過去にも浅草や横浜などでもF1のデモ走行が行われましたが、今回のイベントの意義は?
古屋:これまでは1台でしたが、今回はF1マシンが2台。これは日本の公道イベントでは初めての試みです。しかも、東京のど真ん中です。
――その狙いは?
古屋:日本は自動車産業としては世界一を誇りますが、モータースポーツ文化の面では世界に遅れをとっています。日本のモータースポーツをもっと盛り上げるために『モータースポーツ振興基本法(モータースポーツの振興に関する法律案)』を早く成立させたい。すでに与党内では手続きが終了しています。でも、野党がなかなかOKしてくれない。しかし、この法案は対決法案ではないから、野党の皆さんも理解してもらいたい。できれば、いまの国会か臨時国会で成立させたい。
――法案成立によって、何が変わりますか。
古屋:法案が成立すれば、公道レースが堂々と開催できる。公道レースを開催するには、イベントを運営する上での安全対策についていろいろな関係機関と折衝を行わなければならないのですが、法案ができれば、協議会が組織でき、そこにはプロモーターだけでなく、警察や地域住民にも入ってもらうことなり、話し合いがスムーズになる。わかりやすく言えば、『国』が協力するということです。
――公道レースを行う目的は?
古屋:モータースポーツ文化を定着させるためには、公道レースは非常に良いイベントだからです。現在は地上波でのテレビ中継がなく、レースに触れる機会が少なくなっています。国内のレースもサーキットに行かないと見られない。
でも、公道でやることで、いままでレースに興味がなかった人たちにも注目されるし、地上波のテレビでも取り上げてくれるかもしれない。そうなれば、これまでモータースポーツに興味がなかった人たちが振り向き、広く浸透します。結果的に日本の自動車産業のさらなる成長にもつながり、ウィンウィンの関係になるでしょう。
■公道レース開催を目指す古屋議員「これはゴールではなく、スタート」
――公道レースには、大阪の吉村洋文市長も公道レースに前向きですね。
古屋:そうですね。でも、その前に、ドタバタを早く解決しないといけませんね(編注/大阪は知事と市長が入れ替わって出馬する前代未聞のダブル選を4月の統一地方選と同日に実施する)。それから、名古屋の大村秀章知事も、モータースポーツには前向きです。
愛知県には開催するために良い条件の場所がたくさんあります。しかも愛知から東海にかけてのあのエリアは自動車産業のメッカですからね。来年こそは私の地元の岐阜県とお隣の愛知県とで、WRC(世界ラリー選手権)を開催する予定です。おそらく11月の末から12月にかけてになるでしょう。
――今後の活動は?
古屋:あくまでこのイベントは公道でレースを行うためのPR。これはゴールではなく、スタートです。
――公道レースを行う候補地は?
古屋:道路の封鎖、安全対策、地域住民の理解――この3つが鍵になるでしょう。
――安倍晋三首相はなんと?
古屋:安倍さんはクルマが好きですよ。学生時代にアルファロメオに乗っていましたから。
――今日は日本のモータースポーツにとって記念日になりましたね。
古屋:『モータースポーツの日』という記念日を作ることも、その法案の中に入っています。第1回日本GPを開催した日(5月3日)などの候補もあがっていますが、まだ具体的な日付は決まっていません。(今日も含めて)考えておきます。