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小栗旬×ムロツヨシ『二つの祖国』にビートたけし&笑福亭鶴瓶が出演

2019年03月12日 12:10  CINRA.NET

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『テレビ東京開局55周年特別企画 ドラマスペシャル「二つの祖国」』 ©テレビ東京
3月23日と24日にテレビ東京で放送されるドラマ『二つの祖国』の追加キャストが発表された。

山崎豊子の同名小説を映像化した『二つの祖国』は、1900年代と第二次世界大戦前、戦中、戦後のアメリカと日本を舞台に、歴史に翻弄されながら激動の時代を生き抜いた日系アメリカ人2世たちの姿を描いた青春群像劇。アメリカ・ロサンゼルスの日本語新聞の記者・天羽賢治役を小栗旬、アメリカで成功するため日本人であることを捨て去ろうとするチャーリー田宮役をムロツヨシが演じる。

新たに出演が発表されたのは、ビートたけしと笑福亭鶴瓶。ビートたけしはA級戦犯として起訴された元総理大臣・東條英機役、笑福亭鶴瓶は民間人で唯一A級戦犯として起訴されたが、後に釈放される思想家・大川周明役を演じる。ビートたけしと笑福亭鶴瓶がドラマの同じシーンで共演するのは初だという。

東條英機役を演じるのは今回で2度目となるビートたけしは「頭叩くのが鶴瓶って聞いて笑っちゃったんだよ!コントじゃないかと(笑)」、テレビ東京のドラマには初出演となる笑福亭鶴瓶は「(たけしさんの頭を叩くシーンは)大川周明やから叩けるんですよ!たけしさんは叩かれへん!でもお兄さん(たけしさん)喜んでましたよ、コントみたいって。」とそれぞれコメント。

また元総理大臣・広田弘毅役を演じたリリー・フランキーは「たった1日(の撮影)でしたけど、同じ日にたけしさん、鶴瓶さんとご一緒できて、ちょっと二日酔いで来て体がだるかったんですけど、2人のヅラを見た瞬間に体が元気になりました(笑)」と述べている。

■ビートたけしのコメント
・再び東條英機役を演じたことについて
東京裁判は何度も見てるシーンだから、ちょっとね、やりやすいんだかなんだか…あまりに現物を見てるから、「本当に似てるかな」とそっちのほうを考えちゃいました。あと「なに言ってるわかんない」と東條が怒るシーンも、きっと一般の人も印象に残ってるから、自分が似てないと言われるのはやだなと。似てるのも変だけど(笑)。
・笑福亭鶴瓶との共演について
頭叩くのが鶴瓶って聞いて笑っちゃったんだよ!コントじゃないかと(笑)。でも見事メイクで違う人になってたからよかった。このシーンはちょっと面白そうだね。

■笑福亭鶴瓶のコメント
・大川周明役について
たけしさんが完全に東條英機だから、こっちも完全に乗り移ってやろうかなと思ってやりました。(たけしさんの頭を叩くシーンは)大川周明やから叩けるんですよ!たけしさんは叩かれへん!でもお兄さん(たけしさん)喜んでましたよ、コントみたいって。一発パーン叩いて、えらい音がなったんですよ(笑)。

■リリー・フランキーのコメント
若い頃に映画で観た『東京裁判』と同じ場所にいるというのが…自分がまさか東京裁判
にいるというのが不思議でした。たった1日(の撮影)でしたけど、同じ日にたけしさん、鶴瓶さんとご一緒できて、ちょっと二日酔いで来て体がだるかったんですけど、2人のヅラを見た瞬間に体が元気になりました(笑)。実際にあった話なんですけど、あの2人でやると実話を越えちゃいますよね。でもみなさんすごくいいもの作られている、そういうエネルギーに満ちている現場だったので出来上がりが楽しみです。

■田淵俊彦(テレビ東京)プロデューサーのコメント
・平成最後の山崎豊子ドラマ、それを彩る二人の重鎮
これまで数多くのベストセラー原作がドラマ化されてきた山崎豊子。中でもこの「二つの祖国」は「平成最後の山崎豊子ドラマ」になる。それだけに「なぜ今このドラマをやらなければならないのか」が大切だ。そんな思いに共感して頂いたのが、今回の二人の重鎮だった。
東條英機は東京裁判の鍵を握る重要人物だ。一国の元総理を戦犯として裁くその場に臨場することで、主人公の賢治は東京裁判の意味を再認識し、「勝者が敗者を裁く」理不尽さに気づいてゆく。そんな東條英機を表現できるのは、圧倒的な存在感を持つビートたけしさんしかいないと思った。私はドラマ「破獄」で俳優・ビートたけしの迫力を身に染みて知っている。
そして裁判で東條英機と相まみえる人物が大川周明である。今回のドラマでは、東條英機と大川周明の対決ともいえる実際のシーンを忠実に再現し、裁判の極度の緊張感を表現することにした。大川周明は裁判中に後ろから何度も東條英機の頭を叩くという奇行に出る。芝居とはいえ、たけしさんの頭を叩くことができる人物は一人しかいない。そう確信し、笑福亭鶴瓶さんにオファーした。すると「そんなん、俺でも叩けんで!」とおっしゃりながらも「おもしろいこと考えるなぁ」と作品の意義に賛同して出演して頂けることになった。さすがは器が違う。二人とも即決に近い快諾であった。やると決まってからの二人の熱量には凄いものがあった。
たけしさんが完璧に「東條英機に似せた特殊メイクをする」とおっしゃれば、鶴瓶さんも負けじと「(わしも)やろう!」とかつらを発注。髪の毛がある人が無い人に、髪の毛が無い人がある人に(失礼!)。完璧なまでの「入れ替わり扮装」が実現した。当日、それぞれの役衣装で防衛省内の敷地を歩く二人は「A級戦犯二人が防衛省の中を歩いちゃあ、やばいだろう!」といつものギャグトークが冴えわたる。それだけに、撮影は終始「笑いの渦」の中で行われるかと想像していた。だが、そうではなかった。実際の東京裁判が行われた場所に忠実なセットが再現された現場は異常なまでの緊張感に包まれ、誰一人として笑い声を上げる者などいなかった。
くしくもこちらの思惑通りとなった。心なしか、二人の大ベテランも緊張気味に見えた。監督の「ヨーイ、スタート!」という掛け声が響く。芸能界きっての重鎮二人が緊張して臨んだ「渾身のシーン」。必見である。