20~50代の既婚男性の7割が「妻に働いてほしい」と回答した調査が、女性たちをざわつかせた。この調査はワタナベウェディングが3月5日に発表した「女性の結婚とキャリア」に関するもの。夫が妻に希望する雇用形態は「正社員」(50.2%)が最も多く、2位は「アルバイト・パート」(31.8%)だった。つまり、妻にフルタイムで働いてもらいたい男性は半数以上だった。
これに黙っていられない女性たちは多かった。8日の「ガールズちゃんねる」で同調査を紹介した記事がトピックとして立つと、「それ料理や掃除が出来る男性じゃないと言ってはいけない言葉なの分かってるよね…?」など、外で働けと言う以上、アナタも家事・育児をやるんでしょうねえ?と胸ぐらをつかむ勢いで書き込む人が相次いだ。(文:okei)
「女は家事・仕事・出産・育児するのか。 国からも、もっと手厚い補助を……」
夫たちは調査で聞かれたことに答えただけなので、どこまで妻の状況を思いやっているかは分からない。スレッドには「では家事も完全に分担で」を始め、4000以上の憤りコメントが付いている。
「働け家事しろ子ども産め。ひどいもんだよ」
「女は家事・仕事・出産・育児するのか。 国からも、もっと手厚い補助を……」
「プラス俺の母ちゃんとも仲良くしてね、老後も見てやってね、かな?」
「正直、正社員しながら家事育児は辛い 体力持たなくてパートにしたら、旦那に文句言われた。お前も同じ事やってみろよ! 」と吠える人や、PTAや地域活動など、女性の負担の大きさを訴える人は多かった。
こうなると独身者とみられる人たちは、結婚に対する希望が一気になくなるようで、
「正社員で働くならもう独身でいいやと思うんだけど」
「こういうの見ると結婚て意味無いなってつくづく思う」
など、殺伐とした感想も多数並んだ。何もかも押し付けられるようなプレッシャーにうんざりし、夢が持てなくなってしまうのだろう。
国立社会保障・人口問題研究所が2014年に発表した「夫と妻の家事分担割合」は、妻が85.1%に対し夫14.9%となっている。無償労働のほとんどを担い、さらに有償労働まで求められれば、負担は大きく、考えただけで嫌になる。
家事に参加したい男性は半数超えるも、実際には出来ないのが現状
といっても、男性側からみると、一緒に家事・育児をしたくても長時間労働でできない人は多い。冒頭のワタナベウェディングの調査では、妻がキャリアを積むために自分ができることは「家事参加」と答えた夫は56.2%、「リフレッシュの時間を持ってもらう」(14.2%)、3位が「育児への参加」(11.1%)と続いた。男性も家事をやったほうがいいとは分かっていて、実際にやっている人もいるが、まだまだ少数派という現実だ。
これまで男性は、結婚するなら「正社員、フルタイムで働き家族を養う」が最低条件とされてきた。しかし今や終身雇用は崩れ、30代・40代の働き盛りの賃金は上がらず、いつリストラされるか分からない不安もどこかにある。男性が妻を働き手として期待するのは、ある意味当然の流れだ。
共働き世帯が過半数を占める現在、書き込んだ女性たちもそんなことは分かっているだろう。けれども、当たり前のように「働け」とだけ言われても、じゃあ家事や育児は誰がやるの?とモヤモヤしてしまう。結局、女性に稼ぐことを期待するなら、男性も家庭を維持する活動を担うことが必要になるし、それができる社会のシステムが、今は求められているのだ。