MotoGPクラスへのフル参戦2年目を迎えた中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が、開幕戦カタールGPを9位でチェッカーを受けた。自己最高グリッドの9番手から、トップ10圏内でのフィニッシュ。中上はその結果に手ごたえを感じている。
2019年シーズンの開幕戦カタールGP。最高峰クラス2年目の中上が駆るのは、2018年型のホンダRC213Vで、ホンダ勢4人のライダーのなかで唯一、2018年仕様のマシンを走らせる。中上のタイムはテストから安定していて、2月末に行われたカタール公式テストでも、3日間を通じてトップ10圏内をキープしていた。
予選では、Q2進出を果たして自己ベストグリッドの9番手を獲得。この日は風が強く吹いた上、気温も低く、転倒者が相次ぐ難しいコンディションだったが、3列目を獲得する走りを見せた。
そして迎えた開幕戦の決勝レースで、中上は好スタートを切ると、オープニングラップで5番手まで浮上する。2018年シーズンの中上は、序盤にポジションを落としてしまうことがままあった。中上自身も、それを課題だと感じていた。しかし開幕戦カタールGPのオープニングラップで、中上はスタートからポジションを4つ上げた。
中上はその後、ポジションを落としてしまったが、それはほかのライダーとの接触が原因だったようだ。
「特にレース序盤には、バイクにいい感触がありました。強さを感じてもいました。昨年はスタート後のスピードに苦労していましたが、今回、しっかり改善できていたと思います」
「その後、(ジョアン・)ミルと(ジャック・)ミラーとの交錯があったんです。ただ、彼らをオーバーテイクして自分のリズムを維持しようと努め、ラップタイムもかなりよかったと思います」
一時は11番手にまでポジションを落とした中上。この日のレースは終盤まで、トップからかなりの台数が連なるレース展開であり、トップ争いのみならず接戦が繰り広げられていた。中上はそんななか、安定したラップタイムで周回を重ね、最後には9位でチェッカーを受ける。
予選後には「フリー走行3回目と4回目でレースディスタンスにトライして、まずまずのペースで走ることができました。もう少しアベレージを上げられれば、さらに、いいレースができると思います。明日の決勝はトップ10を目標に、8位、9位をねらっていきます」と語っていた中上。その宣言どおりのリザルトを残した。
「いいレースだったと思いますし、トップ10でフィニッシュできて満足です。もちろん、まだ改善できるところはありますが、(2019年)最初のレースで9位に入れたことは、悪くありません。チームも喜んでくれて、僕もうれしく思っています」
9番グリッドからの9位フィニッシュ。最高峰クラス2年目最初のレースで、中上はその数字以上に確かな自信を手にした。