3月9~10日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイでWEC世界耐久選手権第6戦セブリングに向けた公式テストが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)が総合トップタイムをマークした。
2012年以来、7年ぶりの開催となることに加え、通常のシリーズ戦よりも長い1000マイル(約1600km/最大8時間)で争われる2018/2019年“スーパーシーズン”のセブリングラウンド。シリーズはこの特異なレースに向けて本戦の直前となる9~10日に公式テストセッションを設定し、各チームに走行機会を与えている。
その公式テストでは今シーズン、他を圧倒する速さをみせるトヨタ勢が持ち前のスピードをみせ、7号車トヨタTS050ハイブリッドを駆るコンウェイが1分41秒211というタイムで初日をリード。コンウェイは続く2日目も全体ベストを更新する1分41秒152を記録してみせた。
総合2番手にはフェルナンド・アロンソ駆る8号車トヨタが0.052秒差で続き、トヨタ勢がワン・ツー。プライベーター勢のトップ、総合3番手は1分42秒357をマークしたセルゲイ・シロトキンが駆るSMPレーシングの17号車BRエンジニアリングBR1・AERがつけた。
なお、SMPレーシングは僚機11号車BR1がビタリー・ペトロフのドライブ中にターン10でクラッシュ。左フロントを損傷したが幸いダメージは大きくなく、ペトロフも無事であるという。
LMP2クラスは唯一のダラーラユーザーであるレーシング・チーム・ネダーランドの29号車ダラーラP217・ギブソンがクラス首位に。鮮やかなイエローをまとうマシンはニック・デ・フリースのドライブで1分47秒086を記録した。
オランダチームの後ろにはニコラ・ラピエール駆るシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソンがトップから0.092秒差で続き、3番手にはTDSレーシングの28号車オレカ07・ギブソンが入っている。
LM-GTEプロクラスのトップはポルシェGTチームの91号車ポルシェ911 RSR。リチャード・リエツ駆るポルシェは2日目午後に1分57秒302という最速タイムをマークして、フォード・チップ・ガナッシ・チームUKが走らせる2台のフォードGTを打ち負かした。
出火、炎上するアクシデントに見舞われたチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSRも属するLM-GTEアマクラスでは、日曜の午前中にマッテオ・カイローリのドライブで1分58秒707をマークしたデンプシー・プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRがクラス首位を奪取。同クラスで1分58秒台に入ったのはこの1台のみとなっている。
2日間の事前テストを終えたWECセブリングは、いよいよ3月13日(水)から公式セッションが始まる。各チームが最初に迎えるのは13日15時(日本時間14時4時)から90分にわたって行われるフリープラクティス1だ。