2019年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコは現地3月10日、SS19~21が行われ、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が逃げ切り、シーズン2勝目を挙げた。総合2位にはオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が入り、トヨタは3戦連続の表彰台を手にしている。
競技2日目の現地8日に行われたSS5で総合首位に浮上したオジエは、王者らしい盤石の走りで確実にリードを広げ、27秒リードで競技最終日に臨んだ。
マージンを手にしているオジエはSS19~20でステージ2位を獲得してポジションをキープ。最終SS21では猛プッシュをみせステージ優勝を飾り、最終的に30.2秒のリードで逃げ切り、第1戦モンテカルロに続く2019年シーズン2勝目を挙げた。
総合2位に入ったタナクは、先頭走者として臨んだ競技2日目で一時総合8番手まで後退したものの、出走順が後ろになった競技3日目から挽回。最終日はSS19~20と連続でトップタイムを記録する走りをみせ、エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)を交わして総合2番手までポジションを戻す。
勢いに乗るタナクだったが、ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS21では、わずか0.7秒差でステージ6位に終わり、ボーナス獲得はならず。それでも総合2位に入ったことでポイントリーダーの座を守っている。
2017年にシリーズ復帰を果たしたトヨタは、過去2年ラリー・メキシコで表彰台を獲得できておらず、また大会自体もトヨタがWRCで活動していない2004年にシリーズへ組み込まれたため、今回がラリー・メキシコ初表彰台となった。
またタナクのチームメイト、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)は総合5位、競技2日目にマシントラブルでリタイアしたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も総合8位までポジションを上げ、3人のドライバー全員がポイントを獲得している。
総合3位はMスポーツ・フォードの若手エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)が獲得。エバンスはタナクから2.2秒リードの総合2番手で競技最終日に臨み、SS19で逆転を許したものの、残る2SSは着実に走りきり、チームにシーズン初の表彰台をもたらしている。
競技2日目にアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)とダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)がデイリタイアしたヒュンダイ陣営は、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が総合4位に食い込んだ。
ドライバーズランキングでは、タナクが65ポイントでトップを死守。オジエが61ポイントで2位、ヌービルが55ポイントで3位に続いている。マニュファクチャラーランキングではトヨタが86ポイント、シトロエンが78ポイント、ヒュンダイが77ポイントとなり、依然としてトヨタが両選手権をリードしている。
2019年のWRC、第4戦は3月28~31日に開催されるツール・ド・コルス。地中海に浮かぶフランス・コルシカ島が舞台の1戦だ。
このツール・ド・コルスはグラベル(未舗装路)で争われたラリー・メキシコから一転してターマック(舗装路)で争われるイベントで、コーナーが連続するコース設定から“1万コーナーのラリー”とも呼ばれている。