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ドヴィツィオーゾが接戦制し、2019年MotoGP開幕戦で優勝。2位マルケスとの差はわずか0.023秒

2019年03月11日 04:31  AUTOSPORT web

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ドヴィツィオーゾとマルケスにより最後まで接戦となったMotoGPクラスの優勝争い
MotoGP第1戦カタールGPのMotoGPクラス決勝レースがカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われ、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)が激戦を制し、優勝を飾った。

 MotoGPの決勝レースは気温18度、路面温度19度のドライコンディションのもと、行われた。スターティンググリッドに着くためのウオームアップラップでは、5番手スタートのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)にトラブルが発生。ピットレーンからのスタートとなった。

 クラルタラロを除く22名のライダーがグリッドにつき、MotoGPクラスの2019年シーズン開幕戦、決勝レースが始まった。ホールショットを奪ったのは2番手スタートのドヴィツィオーゾ。ドヴィツィオーゾにはジャック・ミラー(アルマ・プラマック・レーシング)が続いてドゥカティがワン・ツー体勢を築き、その後方にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が続く。

 ポールポジションスタートのマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はスタートで大きくポジションを落とし、オープニングラップを終えて7番手。一方、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は好スタートからポジションを上げ、オープニングラップで5番手にまで浮上している。

 2番手を走行していたミラーだったが、2周目で突然後退。シート部分を気にするそぶりを見せていたことから、シートになんらかのトラブルが発生したとみられる。ミラーが後退したことで、トップは変わらずドヴィツィオーゾ、2番手にはマルケスが浮上。3番手にはカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)が続く。

 4周目、チーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルとアレックス・リンスがクラッチローを抜き去り3番手、4番手に浮上。リンスはその翌周にはマルケスをオーバーテイクすると、2番手に浮上。勢いに乗るリンスはさらにトップを走るドヴィツィオーゾのインを突き、オーバーテイク。トップに浮上する。

 しかしドヴィツィオーゾもホームストレートの加速でリンスに並びかけ、1コーナーのブレーキングでリンスを交わす。その後もリンスがドヴィツィオーゾの前に出れば、ドヴィツィオーゾが再びトップを奪還する、激しいトップ争いが展開される。

 そんなふたりの優勝争いに3番手を走行していたマルケスも加わり、中盤はドヴィツィオーゾ、リンス、マルケスにより激しいトップ争いが続く。そうした3人の優勝争いにより後続のライダーも食らいつき、トップから約10番手ほどまでが数珠つなぎとなって周回が重ねられた。

 10周目、この3人のトップ争いにダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)が割って入る。ペトルッチはマルケスをオーバーテイクすると、3番手に浮上。しかしマルケスはすぐに3番手を奪還している。マルケスは前をいくリンスをやや強引にオーバーテイクすると、ペトルッチもそれに続き、マルケスが2番手、ペトルッチが3番手に浮上した。

 後方の争いによりやや抜け出しかけていたドヴィツィオーゾだったが、2番手に浮上したマルケスがそれを許さず追随。マルケスは約0.2秒差でドヴィツィオーゾを追う。さらにそのふたりに、再び3番手に浮上したリンスが続く展開。

 レース中盤の12周目、序盤にトップ争いを演じたドヴィツィオーゾとマルケス、そしてリンスが再びトップ3にそろった。ドヴィツィオーゾを先頭に、マルケスとリンスは序盤のように、何度かポジションを入れ替える。

■ラストラップに繰り広げられた、ドヴィツィオーゾとマルケスの超接近戦
 残り5周でトップはドヴィツィオーゾ、2番手にリンス、3番手にマルケス。その差は約0.5秒以内だ。その翌周、マルケスが動いた。18周目にして自己ベストを叩き出すと、ホームストレートの加速でリンスを抜き去り、トップのドヴィツィオーゾに迫る。

 残り3周の1コーナーでは3番手走行中だったリンスがブレーキングミス。やや大回りとなったことで4番手に後退し、代わりにクラッチローが3番手に浮上。これにより、接戦のトップ争いはドヴィツィオーゾとマルケスのふたりに絞られた。

 マルケスはドヴィツィオーゾの背後をマーク。残り2周でトップを走るドヴィツィオーゾが突如マシンの挙動を乱してラインを外し、マルケスがその間にトップに立つ。

 そして迎えたラストラップ。ドヴィツィオーゾはドゥカティ デスモセディチGP 19の加速で1コーナーに飛び込むと、マルケスを交わす。ドヴィツィオーゾがトップ、マルケスが2番手。その差は0.1秒だ。

 ドヴィツィオーゾの背後につけるマルケスは、10コーナーでドヴィツィオーゾのインにマシンをねじ込むがドヴィツィオーゾはオーバーテイクを許さない。ドヴィツィオーゾがトップを守ったまま、ふたりは最後のコーナーを迎える。

 最終コーナー、マルケスがドヴィツィオーゾのインに飛び込んだ。そんなマルケスにマシンの挙動を乱したドヴィツィオーゾが一瞬マシンを起こし、あわや接触。マルケスはややラインを外し、ドヴィツィオーゾがマルケスよりも早く、コーナーを立ち上がった。

 マルケスはドヴィツィオーゾの背後につけ、ホームストレートを加速。しかし最初にコントロールラインを通過したのはドヴィツィオーゾだった。ドヴィツィオーゾはマルケスとの激戦を制し、2018年に続いて開幕戦ウイナーの座を手にした。マルケスは惜しくも2位となったが、ドヴィツィオーゾとの最終的な差は0.023秒というわずかなものだった。

 3位を獲得したのはリンスやペトルッチなどを抑えたクラッチロー。4位は終盤までトップ争いを展開したリンスで、5位には14番グリッドから追い上げのレースを見せたロッシが入った。

 ポールポジションスタートだったビニャーレスはスタートでの後退が影響したか、7位フィニッシュ。好スタートを切って一時は5番手につけた中上は最終的に9位に入り、ホンダに移籍して初のレースとなったホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)は13位でチェッカーを受けている。