フォーミュラE第5戦香港大会の決勝、日本のモータースポーツファンにはお馴染みのアンドレ・ロッテラー(DSテチーター)が序盤に奪ったトップを守り、フォーミュラEでついに初優勝かと思われた残り2周、バックストレートエンドで2番手を走行するサム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)が接触。右リヤタイヤがバーストして順位を下げ、コース上にマシンを止める結果となってしまった。レース後、ふたりがメディアの取材に答えた。
1コーナー先のストレートエンドで若干、タイヤスモークを挙げた2番手バードのノーズ先端とトップのロッテラーの右リヤタイヤが接触して、ロッテラーの右リヤタイヤはバースト。バードはノーズ先端が破損したが、走行に支障はなかった。結果としてバードがトップチェッカーを受けることになったが、2台の接触後、すぐに審議対象に。しかし、いずれにしてもロッテラーの初優勝は次戦以降になってしまった。
残り2周で初優勝を逃してしまったロッテラーは、コース上にマシンを止めたあともすぐにはマシンを降りず、手を挙げ、首を左右に振り、悔しさをにじませた。そのロッテラーにレース後、接触の状況を聞いた。
「今日はとてもいい1日だったよ。最後の2周を除いてね。サム・バードが僕のタイヤに接触してきて、僕のタイヤとリヤサスペンションが破壊してしまった。なんとなドライブしようとしたけど、生き残ることができなかった」
「ドライバー同士でこの件はもっとディスカッションをしなければいけないと思う。彼は何回か接触してきたんだ。クリーンな動きだっとは思わないし、審査段階だけどフェアではないと思うからね」とロッテラー。
それでも、最後は気丈に振る舞った。
「今日のレースでは、もっと重要なこともあった。マシンが速かったことだ。これもレースだし、前を向いてもう一度、(初優勝に向けて)チャレンジするよ」
一方、「Big Shame(とても残念だ)」とコメントを繰り返したのはトップでチェッカーを受けたバード。マシンを降りて表彰台、そして優勝会見に臨んでも、バードの表情に笑顔はなかった。
「なんとかレースに生き残ることができた。不運なことが起きてしまって、とても残念だ。もちろん、彼は勝利に値する走りを見せていたけど、自分の方がペースがよかった」と述べたバードはその後、ペナルティを受けることになり、6位に降格。お互い、後味の悪いレースとなってしまった。