2019年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコは現地3月9日、SS10~18が行われ、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が総合首位をキープ。総合2番手にエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)、総合3番手にオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。
2019年シーズン最初のグラベル(未舗装路)となるラリー・メキシコ。高い気温と標高、荒れた路面がドライバーを待ち受ける難易度の高いイベントだ。
競技3日目最初のステージとなるSS10では、総合5番手だったエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)がフィニッシュまで残り800メートルのところにある左コーナーでスピン。マシンが崖上でストップしたため、ステージは赤旗中断となった。
これによりフィニッシュしていなかったドライバーには一律のノーショナルタイムが与えられることに。この時点でタイヤがパンクするアクシデントに見舞われていたオジエはタイムロスを最小限に抑えることができた。
ただし、オーガナイザーはパンクを考慮し、オジエにライバルより遅いタイムを与えたため、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が1.3秒差で総合首位に浮上した。
しかし、続くSS11では、そのミークがタイヤパンクチャーに襲われてしまう。ステージ走行中、右リヤタイヤのパンクチャーに見舞われたミークはタイヤ交換をせずにステージを走りきったものの、トップから1分35秒3遅れでフィニッシュ。これでふたたびオジエがトップに立った。
「スペアタイヤがない状態で走ることは、一切ミスが許されないというプレッシャーにさらされること」としたオジエだが、SS13を制するなど安定したペースでステージを走破。総合2番手エバンスとの差を27秒として競技最終日に臨む。
前日の競技2日目に先頭走者として路面を切り開く“掃除役”を務めたタナクは、総合4番手として競技3日目をスタート。ステージ出走順が後方になったことでSS14~15でステージ最速タイムを記録するなどペースを上げて、総合3番手につけた。総合2番手につけるエバンスとは2.2秒差と僅差だ。
2017年にシリーズ復帰を果たしたトヨタは過去2年間、このラリー・メキシコでは苦戦を強いられており、表彰台を獲得できておらず、復帰後初の表彰台を射程圏に捉えた。
SS11のパンクで大きく後退したミークはティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)から3分以上遅れた総合5番手で走行を終えている。
前日オルタネーターのトラブルでデイリタイアを余儀なくされたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はラリー2規定を使い、競技3日目に復帰。最上位クラスではもっとも遅い出走順でクリーンな路面を走れたということもあり、SS11~12では最速タイムを刻む走りをみせ、総合6番手だ。なお、トップとは16分32秒2のギャップがついている。
競技最終日となる現地10日はSS19~21の3ステージで争われる。このうちステージ上位にボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS21は現地12時18分、日本時間11日の3時18分にスタートする。