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インディカー開幕戦:パワーがスピードスターの本領発揮。琢磨はペナルティに泣く

2019年03月10日 12:01  AUTOSPORT web

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セント・ピーターズバーグで通算8回目のポールポジションを獲得したウィル・パワー
セント・ピーターズバーグで開催されているインディカー・シリーズ開幕戦。9日に行われた予選は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、ペナルティで最速タイム抹消となりQ1で敗退し、予選20番手から決勝に挑む。

 初日をトップで終えたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、9日午前中のプラクティス走行でもトップタイムを更新。予選へ盤石の態勢で挑む。一方、初日は苦戦していたペンスキー勢はそろってタイムを更新。2番手にジョセフ・ニューガーデン、4番手にシモン・パジェノー、5番手にウィル・パワーと続く。

 佐藤琢磨も3番手とタイムを大幅にアップしペンスキー勢に割って入り予選へと挑んだ。


 ハンター-レイ有利と思われた予選だが、このセント・ピーターズバーグで11戦7回のポールポジションを獲得しているスピードスターがその行く手を阻んだ。

 2グループに分かれて上位6台が次のセッションへと進むQ1。2度の赤旗で走行時間が少なくなったグループ1は、チャーリー・キンボール(カーリン)がトップ。ルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ)やベン・ハンレイ(ドゴンスピード)もQ2へと進出する。

 強豪ドライバーがそろったグループ2は、ハンター-レイがトップ通過。注目のルーキー、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー)も2番手。琢磨も5番手で通過を果たし、ディフェンディングチャンピオンのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が敗退となる波乱に。

 しかし、琢磨はイエローフラッグの原因となったとしてペナルティが科せられ、最速タイムを抹消。Q1で敗退となり、ディクソンが繰り上がりとなる。

 12台で争うQ2。トップ通過はニューガーデン、パワーも2番手と続き、ハンター-レイが3番手。ローゼンクヴィストも初の予選でファストシックス進出を果たす。


 ポールポジションを争うファストシックスはペンスキー2台、チップ・ガナッシ2台、アンドレッティ・オートスポート2台とインディカー名門対決に。

 ここで魅せたのがパワーだった。1分00秒4594とコースレコードを更新し、セント・ピーターズバーグで8度目、キャリア55回目のポールポジションを獲得した。

 2番手はチームメイトのニューガーデン。ローゼンクヴィストはディクソンの前となる3番手と躍進、続いてハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシという結果となった。


「予選前にうたた寝をしていたんだ。実際に眠りに落ちて、新鮮な気持ちになったよ。正直なところ、僕たちはタイヤを使っていたのでポールを獲得できるとは思っていなかった」

「本当にうれしいね。ポールポジションがレースを勝利する時が来たんだよ。優勝して悪い流れを止めたいね。最善尽くすつもりだ」とパワー。過去7度のポールを奪っているものの勝利したのは2011年と2015年の2回のみ。

 3番手を獲得したローゼンクヴィストは、「結果には全体的に満足しているよ。予選で、チームにどうのように正確なフィードバックを与えるべきか、まだよくわからないんだ。だから、明日に向けてクルマに変更を加えたくはないね」

「チームメイトと並んでスタートするときは、チームメイトを尊重することが絶対だ。明日のレースが待ちきれないね」とコメント。


 クルマに速さはあったもののペナルティで予選20番手となった佐藤琢磨。

「予選にはがっかりしている。プラクティス3で良かったので、予選は楽観的でした。予選Q1のトップ5に入っていたけど、ターン4で少しエスケープゾーンに入ってしまいイエローフラッグの原因となってしまった。最速ラップがはく奪され、2番目のスピードはトップ6に進む速さはありませんでした」と振り返る。