2019年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコは現地3月8日、SS2~9が行われ、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が総合首位に立った。トヨタ勢はクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合3番手、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手につけている。
シーズン初のグラベル(未舗装路)イベントであるラリー・メキシコは、競技2日目を迎え、荒れたグラベルでの本格的な走行がスタートした。この日は最高気温が31度まで達し、戦いの舞台も標高2750メートル付近ということもあり、エンジンやトランミッションに大きな負荷がかかる1日となった。
2日目序盤はアンドレアス・ミケルセンが速さを発揮し、SS2、4でステージ優勝。SS4終了時点で総合2番手のオジエに1.6秒差の暫定トップにつける。
しかしランチブレイクを挟んで行われたSS5、ミケルセンはフィニッシュ目前で岩にヒットしてサスペンションを破損、リタイアを余儀なくされた。
これでトップに浮上したオジエは、ライバルがクラッシュやトラブルに苦しむなか、パンクに見舞われただけで競技2日目を走破。総合2番手に対し、14.8秒のリードをつけて走行を終えた。
「ほぼ完璧な1日だったけど、簡単な戦いではなかった」とオジエ。
「今日は3番目にステージを走ることになり、(路面コンディションが整っておらず)午前中はグリップレベルが低すぎて理想的な状況ではなかった」
「(出走順が変わる)明日はアドバンテージを得られそうだけど、トラブルを避け続ける必要もある」
オジエに続く総合2番手はエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)、総合3番手はコクピット内に砂煙が入ってしまう不運もあったミークが続いた。
ポイントリーダーとして今大会に挑み、初めて先頭走者を務めたタナクは“掃除役”として荒れた路面を走る足かせもあり、思うようにタイムを伸ばせず。それでもSS7、SS9ではステージ優勝を飾る意地をみせて総合4番手に。首位のオジエとは37.1秒差だ。
オジエ、タナクとシリーズチャンピオンを争うティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は2番手という出走順やパンクに悩まされ、首位から1分0秒7差の総合6番手につけている。
トヨタの3人目、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS7を終えた時点で総合4番手と好位置につけていたが、SS8スタート前にオルタネータートラブルが発生してしまい、デイリタイア。競技3日目には復帰する予定だ。
そのほか、テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)はSS2でクラッシュ、ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)はSS7へのリエゾン(移動区間)で電装系トラブルがあり姿を消した。
競技3日目となる現地9日はSS10~18までの9SSで争われる。このうちSS11と14に組み込まれる“オタテス”は今大会最長の32.27kmで争われるステージだ。