日本ファイナンシャルアカデミーは3月5日、「定年後のキャリアに関する意識」の調査結果を発表した。調査は2月に実施し、同社主催の「定年後設計フォーラム」の参加した30代以上の382人から回答を得た。
「定年後も働きたいか」を聞くと、68%が「給料が下がっても働きたい」と答えた。
その理由として、「老後資金の確保のため」「生きがいだから」「社会とのつながりを持ちたい」といった意見が上位にランクインした。
働きたいという気持ちの背景として、「金銭的に必要に迫られて」と「生きる上でのやりがい」という2つの理由が存在していることがうかがえる。
定年後のお金の対策ができていない理由は「目の前の仕事で精一杯だから」
「定年後のお金の対策」を聞くと、「十分できている」と答えたのは3%に過ぎなかった。「全くできていない」(11%)、「あまりできていない」(49%)と答えた人に理由を聞くと、「目の前の仕事で精一杯だから」という声が最多で、定年後のことを考えるゆとりがないという人が大多数を占めることが明らかになった。
「定年後のキャリア対策」については「十分できている」と答えたのは1%に過ぎなかった。「まあできている」も27%いたが、「定年後も働きたい」と考えている人が大多数でありながら、そのための備えをしている人は少なく、その考えと行動の間には大きな乖離があるということが明るみになった。
定年前活動「定活」を始められるかどうかが人生の分かれ目となる?
定年後のキャリア対策について「十分できている」「まあできている」と答えた人に、「どのような対策を行っているか」を聞くと、「現在持っているスキルを上げる」「情報収集」といった意見が上位にランクインした。
定年後に、「資格取得」「学校等で専門的な知識を学ぶ」「習い事」といった具体的な目標を掲げ、行動している人はまだ少ないようだ。
調査を実施した日本ファイナンシャルアカデミーは
「新社会人は、社会に出るまでに学校教育を通して社会に出るための準備をしますが、それと同じように、定年後という新しい社会に出るにあたっての準備も必要と言えます。これからの人生100年時代、生涯現役社会を生き抜くために、『そのうち』ではなく『今から』定年後のキャリア形成に向けた学びや対策、定年前活動『定活』を始められるかどうかが、定年後の人生の分かれ目となるのかもしれません」
とコメントしている。