マクラーレンは、2019年のインディ500に向けたフェルナンド・アロンソのシート合わせの様子を動画で公開した。
世界三大レース(F1モナコGP/ル・マン24時間レース/インディ500)の制覇“トリプルクラウン”を目指すアロンソは、2017年にインディ500に初挑戦し、この時はエンジントラブルによりリタイアに終わった。そして今年、アロンソは2度目のインディ500挑戦を控えている。
もう一度インディ500で戦うために、マクラーレンはウォーキングのファクトリーでインディ500専門のエンジニアチームを組んだ。また先週はアロンソがファクトリーを訪れ、シート合わせを行った。
インディ500の決勝レースでは、230mph(約370km/h)を越える速さで2時間以上も走り続ける。つまり、ドライバーにとっては快適さが最も重要になる。
アロンソのメカニックのひとりであるリアム・ダンスは、次のように語った。
「F1マシンはシートがしっかりしているので、アクシンデントが起きた後もドライバーはマシンから脱出することができる。(F1のシートは)基本的には硬いカーボンファイバーシェルでできている」
「インディカーのコックピットは(F1よりも)かなり大きく、詰め物がある。だから実際は、シート自体はカーボンではなく発泡体のようなものだ」
「ハイスピードで、全てが左コーナーのオーバルコースを走るためにマシンのセットアップをするので、体の右側や、特に頭部周辺の発泡体は非常に重要なものだ」
インディカーとF1のシート合わせでは、まず最初にドライバーが樹脂で満たされた非常に大きなシートの上でポジションを調整するという似たようなプロセスをたどる。
そしてF1マシンに関しては、カーボンファイバーシェルを作るために、ドライバーの型をとったものをデジタル処理でスキャンし、それを利用する。
一方インディカーでは、型をとったものは綺麗に形を整えられて、コックピットの中でフィットさせるために覆われる。
「どちらのコックピットにおいても、ドライバーの好みに従って、ペダルのポジションやシートベルトをセットし、それらが適切かどうかを確認する」
「フェルナンドのインディカーに関しては、我々は(コックピット内の)詰め物を最適にしたり、レース中は彼の頭部周辺にどれほどのサポートが必要なのかということに基づいて、様々な選択肢を挙げるためにも、かなりの注意を払ってきた」
「それに彼の足元にも詰め物が必要だった。というのも、(オーバルコースでは)体が右側に押しやられるからだ」
マクラーレンが公開した動画では、上記で述べられている作業が行われている様子も収められている。