2019年のWRC世界ラリー選手権は現地3月7日、第3戦メキシコのSS1が行われて開幕した。しかし、このSS1は最上位クラス残り3台というところで安全上の理由から中止となり、結果の取り扱いについて議論が行われている。
シーズン第3戦となるラリー・メキシコは今シーズン初のグラベル(未舗装路)イベント。高い気温や標高もマシンやドライバーに襲いかかるイベントだ。
そんなラリー・メキシコのオープニングステージとなるSS1は、グアナフアトの市街地で開催されるターマック(舗装路)ステージ。途中トンネルを通過する箇所やドーナツターンを披露するセクション、フィニッシュ手前にはジャンプ台も設けられるステージは、ラリー・メキシコではお馴染みのもので、ステージには多くのファンが集まり声援をおくった。
このSS1はオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)の走行を残した段階で、エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が1分0秒6で暫定トップ、2番手にアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)、3番手にエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)がつけていた。
このうち暫定トップのラッピはフィニッシュライン手前のジャンプスポットで、大ジャンプを披露して観客を沸かせたが、着地する際、マシンが前転してしまうのではと思うほど姿勢を乱していた。
これを見ていたマーシャルが安全上の理由からステージ続行は危険と判断。スタートを待っていたタナク、オジエ、ヌービルとも議論を重ねたが、最終的にこの3名がステージを走ることなく、SSキャンセルとなった。
なお、SS1の結果については、ステージを走行していないドライバーにノーショナルタイムを与えるか、またはSS1のリザルトを取り消すか、マーシャルによる議論が進められている。