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WANIMA「アゲイン」に込められた挑戦へのパワー ドラマ『メゾン・ド・ポリス』主題歌を聞いて

2019年03月08日 11:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 WANIMAが本日3月8日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、新曲「アゲイン」(4thシングル『Good Job!!』収録)を披露する。同曲は現在放送中のドラマ『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の主題歌としてオンエア中のナンバーである。


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 WANIMAは、全員が熊本県出身のKENTA(Vo/Ba)、KO-SHIN(Gt/Cho)、FUJI(Dr/Cho)の3人からなるロックバンド。パワフルな演奏スタイルはもちろんのこと、3人のはちきれんばかりのビッグスマイルも印象的なバンドである。WANIMAの魅力の一つは、彼らの人柄と、演奏する音楽がリンクしていることにある。代表作「ともに」は、レコーディングの前日に平成28年(2016年)熊本地震が発生し、熊本出身バンドとして〈生きて耐えて時に壊れ泣いて迷う影に笑顔咲き誇る〉と歌う姿は、等身大の彼ら自身だった。


 今回の「アゲイン」も、歌い出しでWANIMAだとわかるような、彼ららしいポジティブさに溢れる一曲。覚えやすいメロディとストレートな歌詞も健在だ。メンバーは曲について、「何度もトライし、書き直し、辿り着いた一曲。WANIMAにとって大事な曲です。だからもうバンド名を『アゲイン』にしようかな」「東京都在住熊本県出身『アゲイン』です!」(3月3日深夜放送『Love music』フジテレビ系)と話していたように、まさに彼ら自身を投影した曲であると言えそうだ。


 〈何度目の挑戦? 誰かが台無しにした日も 誰もが大事に想う日も 優しさだけじゃ癒えない 理屈や理由ならいらない このままじゃ終わりたくないから〉という歌詞は、失敗しても立ち上がろうとするリスナーを応援してくれるものであり、バンド自身もさらに一歩前へ進もうとする熱い想いが感じられる。さらに〈このままじゃ終われない〉という部分は、主題歌となっているドラマ『メゾン・ド・ポリス』の物語ともリンクしている。このドラマは、シェアハウスに住む元刑事のおじさまたちが「再び」活躍していく、まさに「アゲイン」に満ちた話なのである。


 おじさまたちに刑事という過去があったように、「アゲイン」という言葉には、前提として過去の存在がある。「アゲイン」で〈懐かしくて もう一度 焼き付いて離れない〉と歌われるように、懐かしく思うような過去があるからこそ、未来に挑戦していこうという曲だ。


 実際、先日3月5日に公開された「アゲイン」のMVは、KENTAとKO-SHINが生まれ育った熊本県天草市という、彼らの「過去」のある地で撮影された。高校時代、毎日夕方6時から10時まで欠かさず練習していたという場所は、なんと元パチンコ店「パチンコ大和」。当時彼らはバンド練習やライブをするため、この跡地に自らの手で内装やステージを作っていったという。MVではその思い出の場所を久しぶりに訪れ、古くなったスタジオを作り直していく様子が描かれている。過去という「初心に戻る」からこそ、挑戦へのパワーが生まれる。そんな楽曲と言えるのではないだろうか。


 WANIMAのステージは、3人のコーラスの重なり合いが見事なのはもちろん、間奏で番組名を叫ぶ等、ライブ感満載。彼らはテレビ番組であっても、画面の向こうの視聴者と真正面から向き合い、「一人一人の心に響け!」と言わんばかりのパフォーマンスを見せてくれる。彼らは、曲の魅力をライブでさらにアップさせるのが大得意だ。今夜のMステでも「もう一度頑張ろう」と胸震わされるパフォーマンスが見られることを、大いに期待している。(深海アオミ)