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なにわ男子 藤原・大橋のファンが、バーチャルジャニーズ 海堂飛鳥と苺谷星空を受け入れたきっかけ

2019年03月08日 08:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ジャニーズ事務所とSHOWROOMがダッグを組んでスタートした『バーチャルジャニーズプロジェクト』。第一弾として発表されたのは、なにわ男子・藤原丈一郎と大橋和也が、バーチャルアイドル・海堂飛鳥と苺谷星空のキャラクターボイスを務めるというものだ。現在、藤原と大橋は現在SHOWROOMにてバーチャルYouTuberのように動画配信を行なっている。


(参考:ジャニーズ初のバーチャルアイドル・海堂飛鳥&苺谷星空、生配信デビューで驚異的な視聴者数を叩き出す


 このプロジェクトに関して、ファン界隈では様々な意見が出ている。彼らの活動に大賛成の人、大賛成ではないものの抵抗がない人、ネガティブに捉えていたがハマった人、未だ受け入れられない人……と様々だ。実を言えば、筆者はネガティブに捉えていた人のひとり。というのも、藤原と大橋が『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)に出演し始めた当初から応援しており、彼らの表情やビジュアルが非常に好きなためである(敢えて包み隠さず述べさせていただきたい)。あくまでも個人的見解で恐縮なのだが、もちろん、活動の幅が広がっていき、多くの人に認識されるのは嬉しい。だが、「藤原丈一郎」と「大橋和也」として出てほしいという気持ちが払拭できなかったのである。しかし、ローンチ以降の盛り上がりと、配信を楽しんでいる藤原・大橋ファンの意見に触発されて、少しずつ考えが変わってきた。


 1つめは「2人の絡みが面白い」こと。例えば、苺谷星空の第6回目の配信で、海堂が描いた苺谷の似顔絵を、苺谷の配信ルームで公開した。その絵は、尋常なく個性的。それを「やばない?」「これに1時間かける?」と、思いっきりいじりながら公開する苺谷。コメント欄が賑わう中、海堂から「やめろや」、「だる」などコメントが届いていた。それに対しても苺谷は「飛鳥に“だる”って言われてる、俺(笑)」と、再びいじりだす。この関係性が、藤原と大橋そのもので思わず笑ってしまう。


 2つめは、「コメントを通してリアルタイムに交流ができる」こと。基本的に2人は配信でトークを繰り広げながら、随時コメントや視聴者から送られてくるギフトを用いて話を広げている。発言に対する反応をコメント欄からピックアップするシーンも少なくない。ジャニーズJr.に限定して言えば、『ジャニーズJr.チャンネル』でコメントを寄せることはできたものの、リアルタイムで交流できる機会はこれまでなかった。大橋が言い間違いをすると、コメント欄に容赦なくツッコミが寄せられるのも見ていて面白い。この配信はファンにとって、応援しているアイドルと直接交流できる貴重な機会なのである。


 そして3つめは「2人のキャラクターが活きている」こと。『バーチャルジャニーズプロジェクト』のバーチャルアイドルはバーチャルYouTuberと違い、“中の人”がハッキリ分かっている状態だ。見た目こそ2次元であるものの、声を作っていることもなく、言動は藤原と大橋そのもの。苺谷は自由奔放で小悪魔的な大橋の魅力がしっかり活きており、「ハッシュタグ」を「フラッシュタグ」と言い間違える愛すべきポンコツぶりもそのまま。海堂は、賑やかな性格の藤原と違いクールキャラ。普段盛り上げ役の藤原だからこそ、クールな話し方のギャップが活きている。


 これを見ると、バーチャルアイドルならではの楽しみ方も面白そう、と感じてこないだろうか。実際に視聴していると、徐々に癖になってくる。そして、このプロジェクトは藤原と大橋にとってもプラスになることがあると気付く。まずは、顔が出ないからこそトーク力が磨かれること。表情が変わるバーチャルアイドルといえども、やはり人間ほどのバリエーションはない。特に藤原は、普段と違って比較的淡々と話す必要がある。その中でどう話を展開するか、どう盛り上がりを作っていくかが、腕の見せどころだ。さらに、従来のファンだけでなく、より多くの視聴者に向けて話の展開にも工夫をしていく必要がある。ここで身につけたトーク力は、なにわ男子として活動していく上でも着実に武器になっていくだろう。


 もうひとつは、新規ファンの獲得につながるということ。現在、バーチャルYouTuber市場は急成長の真っ只中で、有名Web企業も次々と参入をしてきている。2022年には500億円市場になるという見解もあり、ファンの数はかなり多い。一方アイドル市場は2100億円と言われており、なおも成長を遂げている。2つの市場が合わさることで約3000億円という巨大な市場が誕生し、ビジネスチャンスも広がっていく。つまり、藤原と大橋が世の中の多くの人の目に触れるチャンスも増えていくということである。これまでは「CDデビュー」という1つの道筋しかなかったジャニーズJr.たちだが、予想できないような方法でお茶の間にも浸透することができるかもしれないのだ。


 とはいえ、やはり歌って踊る藤原と大橋を見たい気持ちは変わらない。しかし、それはそれ、これはこれ、と区切って考えればいずれも楽しめるのではないだろうか。そして、どんな形にせよやはり彼らが活発に活動をしてくれるのは嬉しい。だからこそ、今日もSHOWROOMのアプリをタップしてしまうのである。


(高橋梓)