老舗化粧品メーカーの伊勢半は2020年新卒採用で「顔採用」を導入する。同採用について公式サイトでは「もちろん容姿で判断するわけではありません。好きなメイクで来てもらう、メイクを通じて自分を表現してもらうという採用です」と記されている。
同採用は3月上旬にネットで話題となり、「素晴らしい」「ルッキズム、ジェンダー差別を茶化す明確な意図があるならいい」といった声が寄せられた。この"顔採用"への反応について同社広報担当は「共感いただけるご意見を予想以上に多く拝見でき、嬉しいです」と話す。
顔採用で見えてくるのは「"私らしさを叶えるブランド"を体現できる人」
同社は今年初めて顔採用を実施。「190年以上化粧品と向き合う会社として新しいことに切り込んでいきたいという思いと、就活で自分のスタイルを表現することが不自由と感じている学生が多い問題を背景に実施しました」と説明する。
エントリー時に「私らしさ」を表現している写真・動画とともに、自身のメイクや見せ方を通して200文字程度で「私らしさ」を説明する。WEBフォームのほか、インスタグラムでも応募を受け付けている。
同社の「KISSME」ブランドは「私らしさを叶えるブランド」をコンセプトにしている。自己表現のためにメイクをする今回の企画を通して、こうした理念を体現するような人材の確保につなげたい、という考えだ。同担当者は、
「メイクのテクニックや、当然ながら容姿で判断するものではありません。男性でも女性でも、すっぴんでもフルメイクでも、大歓迎です。本当のあなたにお会いたいので、ぜひご応募お待ちしております」
と話している。