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スーパーGT:鈴鹿テスト初日午後はバトン駆るRAYBRIG NSX-GTが最速。初日首位はカルソニック

2019年03月07日 19:31  AUTOSPORT web

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鈴鹿サーキットでのスーパーGTメーカーテスト初日午後トップタイムとなったRAYBRIG NSX-GT
3月7日、鈴鹿サーキットで合計20台が参加しているホンダ主催のスーパーGTメーカーテストの1日目午後の走行2回目が行われ、2018年のチャンピオンコンビである山本尚貴/ジェンソン・バトン組RAYBRIG NSX-GTが1分45秒718をマークし、走行2回目首位で初日を締めくくった。2番手にはKeePer TOM'S LC500、3番手にはKEIHIN NSX-GTがつけている。GT300クラスはHOPPY 86 MCがトップタイムをマークした。

 GT500クラス13台、GT300クラス2台が参加している鈴鹿サーキットでのメーカーテスト。午後に入っても晴天ながら風は強いままで、午前が赤旗中断があったため、10分延長で12時10分終了、午後は13時30分スタートという短いインターバルを経て、走行がスタートした。

 しかし開始から10分というところで、3月1日に富士スピードウェイでシェイクダウンしたばかりの31号車TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GTが、1コーナーで激しくクラッシュしてしまった。幸いドライブしていた嵯峨宏紀に怪我はなかったが、31号車はフロントを大破してしまった。

 金曽裕人監督によれば、1コーナーへアプローチする際に操舵系にトラブルを抱えてしまったためのクラッシュだったよう。高い荷重がかかる鈴鹿ならではのトラブルだ。ただしフレームにダメージはなく、3月8日の走行はできないものの、岡山公式テストには、完全に元通りではないが参加できるとのことだ。

 このクラッシュのために、午後の走行は一時赤旗中断。その後もデグナーでau TOM'S LC500がコースオフしクラッシュしたため、二度の赤旗中断があり、ふたたび10分間延長されるセッションとなった。

 多くのチームがメニューをこなしながらテストを進めたが、終盤にはGT500クラスのなかでアタックを展開するマシンが現れる。そんななか、残り3分というところで、ジェンソン・バトンが1分45秒377というファステストをマーク。この走行2回目はRAYBRIG NSX-GTがトップタイムとなった。

 2番手にはKeePer TOM'S LC500が続き、KEIHIN NSX-GT、DENSO KOBELCO SARD LC500、そして終盤タイムアップしたARTA NSX-GTというトップ5。午前中にクラッシュに見舞われたWedsSport ADVAN LC500もこの走行2回目はふたたびコースインしている。

■カルソニックは“余力”も? 2台のNSX GT3は無事にテスト初日を終える
 1日目の総合では、午前にカルソニックIMPUL GT-Rの佐々木大樹がマークした1分45秒062がトップタイムとなった。佐々木は「今はどこに行っても速いので、クルマが仕上がってきていると思います。ブリヂストンさんとのコミュニケーションもとれています」と語る。

 佐々木はさらに、「今日は僕たちがいちばんいいと思っているタイヤも履いていませんし、まだタイムにはマージンがある状況です。まわりのウエイトの状況も分かりませんが、今のテストの調子を続けて、しっかりタイヤをチョイスできれば、“争える”以上のものをもっていると思います」と自信をみせている。

 佐々木の言葉にもあるとおり、この鈴鹿は第3戦の舞台でもあり、ウエイトを積んで走行しているチームもあるようだが、カルソニックをはじめニッサンGT-RニスモGT500の逆襲に期待がかかるタイムと言えるだろう。

 GT300は、午前のトラブルを解消したHOPPY 86 MCが1分57秒363をマークし首位に。今季加入した佐藤公哉もステアリングを握った。2番手にはグッドスマイル 初音ミク AMGがつけ、K-tunes RC F GT3が3番手につけた。

 一方、2台のホンダNSX GT3のうち、モースポフェスで走行したUPGARAGE NSX GT3は、このテストを迎えるにあたってエボリューションキットに換装。小林崇志、松浦孝亮のふたりのドライバーとも「違いを感じることができた」という。また、ARTA NSX GT3は今回がシェイクダウン。高木真一がチェックやタイヤの比較等を行いながら、福住仁嶺もステアリングを握った。

「2015年にARTA CR-Z GTに少し乗せていただいたことはありますが、それとは感覚も違いますし、僕はシングルシーターしかやってこなかったので、ロール量などもすごく感じました」と初のGT3ドライブを果たした福住は語る。

「タイヤの動きなども、これが“本当に合っているか”もまだ僕は分からない状況です。とはいえ午後2時間乗って、少しずつクルマのことも分かってきましたし、チームや高木さんに教えてもらいながら、今回は慣熟して次のテストに繋げたいです」

 翌週の岡山公式テストへ向け、GT500もGT300も、各々課題と収穫を得た様子の鈴鹿テスト初日となった。