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MotoGPライダー中上貴晶が気になる4輪マシン。F1は「一度は味わいたい」/モースポフェス2019

2019年03月07日 18:21  AUTOSPORT web

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MotoGPを戦う中上貴晶にモースポフェス2019で走った気になる4輪マシンを聞いた
3月2~3日に鈴鹿サーキットで開催された『モースポフェス2019 SUZUKA モータースポーツファン感謝デー』。トヨタ自動車と本田技研工業、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの3社が共催したイベントで国内外、2輪・4輪、メーカーの垣根を越えたマシン、選手が一堂に会した。このイベントに出席したMotoGPライダーの中上貴晶にモースポフェス2019で心に残った4輪マシンを直撃した。

 鈴鹿サーキットが主催してきたモータースポーツファン感謝デーが生まれ変わる形で、2019年に初開催されたモースポフェス2019。レッドブル・ホンダカラーのF1マシンやインディ500を制した佐藤琢磨のダラーラFW12、WEC世界耐久選手権、WRC世界ラリー選手権を戦うトヨタのマシンが鈴鹿に集結し、デモランを披露して観客を沸かせた。

 また、佐藤琢磨や中上、トミ・マキネン、中嶋一貴といった各メーカーを代表するドライバー/ライダーも登場したほか、オープニングセレモニーにはホンダの八郷隆弘社長、トヨタの豊田章男社長も、それぞれEWC仕様のホンダCBR1000RR、トヨタ・ヤリスWRCをドライブしてサプライズ登場した。

 イベント期間中、デモランやトークショーなどで大忙しだった中上は「なかなかない貴重なイベントですし、このイベントにホンダファミリーとして出演させていただいて、すごくうれしいです」とモースポフェス2019の感想を明かした。

「他メーカー同士が一緒になった大きなイベントに出演するのが初めてです。来週(MotoGPの)開幕戦を控えてますが、日本にいて出演することができるというのはすごく光栄です」

■中上に聞いた気になる4輪マシン。最高峰のF1は「一度は味わいたい」
 ふだんは2輪レースを戦っている中上に、イベントでデモランを披露したクルマたちはどう映ったのか。数多く参加したレース車両のなかで、特に気になったものを直撃した。

「ラリーカーは興味がありますが、自分にはちょっと次元が違いすぎます」と中上。イベントでは2017年からWRCを戦っているヤリスWRCや、スバルのWRC参戦を支えたインプレッサWRC98が共演し、ドリフトやジャンプなど迫力の走りを披露している。

「オンボード映像などを見ると本当にすごいと思います。狭い道をあれだけのスピードで走り、かつコドライバーからの情報を基にドライバーが(ドライビングを)合わせこむというのは、自分が今までやってきたスポーツとは明らかに違うので、興味はありますね」

 その次に中上が挙げたのはインディカー・シリーズを戦うインディマシン。「インディ500は本当に大きなレースです。2017年に(佐藤)琢磨さんが優勝して、日本で多くニュースに取り上げられていました。インディ500はもちろん自分も知っていましたけど、琢磨さんがインディ500で勝ったから改めて見るようになりました」という。

 中上はスーパーGTを戦うホンダNSX-GTも気になった車両に挙げたものの、「一度味わいたい」と口にしたのが、4輪レースの最高峰を戦うF1マシンだった。

「2輪の最高峰がMotoGPですし、4輪で言うとF1が最高峰なので、一度味わって操作してみたいという気持ちはすごく強いです。なにかしらのチャンスがあれば、是非乗りたいなと思います」

 MotoGPライダーとF1の交流と言えば、2018年にレッドブル・アスリートのマルク・マルケスとダニ・ペドロサがトロロッソ・ホンダのマシンをドライブしている。中上も2019年からレッドブル・アスリート入りを果たしているので、近い将来、F1マシンを駆る中上を見ることができるかもしれない。

■MotoGP2年目への心境。「開幕戦は大きなチャンス」
 モースポフェス2019でファンとの交流を満喫した中上の2019年シーズンは、3月8日に開催される第1戦カタールGPで幕を開ける。

「ウインターテストも含め、ここまで順調にきました。怪我なく、万全の状態ですべてのテストを終えることができました。開幕戦を(間近に)控えていますけど、自分のなかでは、やっとはじまるなという気持ちが強いです」と中上。

「今年はMotoGP参戦2年目で勝負の年。ルーキーシーズンはすごく苦戦しましたし、いろいろ勉強になった年でもあります。ウインターテストでは、そこをしっかりと活かせて、タイム、順位も昨年よりすごく良い状態できています」

「開幕戦は、他メーカーのバイクも含めて、2019年型のバイクは(セットアップなどが)完全に仕上がりきっていない状況です。一方で自分は(セットアップが)仕上がっている2018年型バイクで戦うので、その優位性を最大限に活かしていきます。(2019年開幕戦は)大きなチャンスだと思いますし、まずはトップ5、6を狙っていきます」