トップへ

FIA会長、論争や粗探しではなく肯定的な技術面を打ち出すようF1に助言

2019年03月07日 16:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ダニエル・リカルド(ルノー)
FIA会長のジャン・トッドは、F1が否定的な面を強調するのではなく、良いイメージを打ち出して、技術における肯定的な面を強化することを望んでいる。

 V6ハイブリッド・ターボ・エンジン時代の到来以来、F1はファンのみならず、各チームからも高額費用がかかる高度な技術やレース展開を改善するためのルール変更について、しばしば激しい批判を受けている。

 トッドは、F1の肯定的な面に光を当て、“社会の進化“に完璧に合致している技術的な業績を示すべきだと考えている。

「(F1については)もっと肯定的になる必要がある」とトッドは今週開催されているスイスのジュネーブモーターショーでSky Sportに語った。

「込み入ったことについて話すのは止めたほうがいいだろう。なぜならF1は、売り込みがうまくいっていない唯一のモータースポーツのカテゴリーだからだ。F1はクルマの進化につきるのだ」

「40年前のクルマには、シートベルトも、エアバッグも、電子安定制御もなかった。それにiPhoneもiPadもなかった。そうしたものはすべて社会の進化の一部だ」

「そうした進化を最大限活用しなければならない。そこで簡素な内燃機関を使おうというのは、見当違いも甚だしいと思う」

「もちろんエンジンは簡素なものになり得るが、それでは社会から受け入れられないだろう」

「我々は公害や気候変動について話し合っている。モータースポーツの最高峰であるF1は、そうしたことにも責任を持たなければならない」

 トッドはまた、2019年のオーバーテイクを改善するためのルール変更について、その効果を証明する機会を与えられる前から槍玉に挙げている人々を批判した。

「(ルールの変更は)金の無駄であるとか、オーバーテイクが素晴らしく改善されるだろうといった、色々なことを耳にしている。私は、最終的にどのような結果が出るのか楽しみにしている。だがF1は論争の世界なのだ」

「ある人々は、皆に前向きな姿勢をとらせて最高のモーターレースを作り出そうとするのではなく、常にうまくいっていないことを見つけ出そうとする。それは少々残念なことだ」