ポルシェは3月5日、ドイツ・バイザッハの自社テストコースでポルシェ製電動パワートレインを搭載したフォーミュラEマシンをロールアウトさせたと発表した。
2017年を最後にWEC世界耐久選手権の最高峰LMP1クラスから退いたポルシェは翌2018年4月、2019年の年末にスタートするABBフォーミュラE選手権2019/2020年シーズンに参入するとアナウンスし、昨年12月にはひとり目のドライバーにワークスドライバーのニール・ジャニを起用することを明らかにしている。
そんなポルシェが4日、新開発したフル電動パワートレインを搭載するフォーミュラEマシンをバイザッハのテストコースに持ち込みシェイクダウンテストを実施。ノーズにポルシェのエンブレムが輝くカーボン地の“Gen2”マシンをジャニがドライブし、まずは最初の1kmを無事に走破した。
ポルシェはこのテストにおいて新たな挑戦のマイルストーンに達したことを祝うと同時に、初走行によって得られた貴重な発見が開発エンジニアたちが今後数カ月の間に行っていく厳しいテストのなかで、シーズン6に投入するレースカーの準備に役立つだろうとしている。
「新たに開発されたポルシェのフォーミュラE用パワートレインは初めての試練を完了した。今日という日はプロジェクトに革悪すべての人にとって重要な日になったことだろう」と語るのはポルシェモータースポーツのフリッツ・エンジンガー副社長だ。
「この数カ月間、我々はパワートレインのとシャシーの組み立てに心血を注いできた。その結果としてロールアウトの成功を可能にしたスタッフ全員に感謝しているよ」
「フォーミュラEに新車を投入するにはまだ多くの作業が必要だが、重要な最初のステップを踏むことができた。いま我々はフォーミュラE特有のある課題を理解することに取り組んでいるが、この作業を継続しながらこの他の分野についても焦点をあてていくつもりだ」
また、シェイクダウンを担当したジャニは「ポルシェのフォーミュラEマシンが走り出したとき、そのステアリングを握っていたことをとても誇りに思う」とコメント。
「(新車の)ロールアウトを任せられることは(ドライバーとして)非常に名誉に感じるだけでなく、とても刺激的でもあるんだ」
「僕たちは新たな分野境地を開いた。最高の気分だよ。チームの全員がそれを感じていると思うけどプロジェクトはいま、本当に勢いを増している」
「シェイクダウンでは限界までプッシュすることはなかったけど、全体的にクルマの第一印象はとても良いと感じた。次のテストが待ちきれないよ」
ポルシェが参入するフォーミュラEのシーズン6では先日、ジュネーブ国際モーターショーでニューマシンをお披露目したメルセデスも本格的に参戦を開始する。モビリティ社会の電動化が推進される時代のなかで続々と大手自動車メーカーが挑むシリーズは今後ますます注目を集めることになりそうだ。