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WRC:2018年の全世界累計TV放送時間は過去最長の1万4208時間。日本はトップ6に食い込む市場に

2019年03月07日 13:41  AUTOSPORT web

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3人のドライバーによるチャンピオン争いが繰り広げられた2018年のWRC
セバスチャン・オジエ、ティエリー・ヌービル、オット・タナクの3人による僅差のチャンピオン争いが繰り広げられた2018年シーズンのWRC世界ラリー選手権。ニールセン・スポーツの調査によれば、昨シーズンの全世界累計テレビ放送時間が過去最長の1万4208時間に達したという。

 WRCでは2004~12年まではセバスチャン・ローブとシトロエン、2013~16年まではオジエとフォルクスワーゲンの組み合わせがシリーズを席巻してきた。

 しかし、フォルクスワーゲン撤退と新車両規定導入が重なった2017年から状況が一変。結果としてはオジエが連覇を遂げているものの、ヒュンダイ所属のヌービルや、トヨタのタナクが台頭し、2018年シーズンはチャンピオン争いが最終戦までもつれる結果となった。

 また、日本に関しては2017年にトヨタがシリーズ復帰を果たしたことで人気が再燃。2018年はトヨタがマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いたほか、2020年に向けてWRC日本ラウンド“ラリー・ジャパン”復活へ向けた機運も高まったことで、一般メディアなどでも露出が増加している。

 シリーズ争いの激化と全世界的な人気の高まりもあり、2018年のテレビ放送時間は初めて1万4000時間を突破。2017年の1万3500時間から708時間ほど増えた計算で、5900時間だった2013年からは140%以上の急成長を遂げている。

 また年間の総視聴者数は、シーズン中に冬季オリンピックとサッカーのワールドカップが開催されたにもかかわらず、約8億人に到達したとのこと。これはWRCプロモーターがコマーシャル権を獲得した2013年比で36%増の数字だ。

 大会別では第1戦モンテカルロと第12戦スペイン、第13戦オーストラリアの視聴者率がもっとも高かったという。WRCプロモーターは、チャンピオン争いがもつれたことが、シリーズ終盤の視聴率上昇に寄与したと分析している。

 国別では、フランス、ポーランド、ベルギー、フィンランド、スペイン、そして日本がトップ6のTVマーケットだという。

 WRCプロモーターのオリバー・シースラは公式テストのWRC.comに「ここ数シーズン、WRCでは各ラウンドの勝者、そしてシリーズチャンピオンを予想できない戦いが展開されている。調査結果は、この展開をファンが楽しんでくれていることの証だ」と述べた。

「ステージへの出走順規定の変更や、パワーステージでボーナスポイントを獲得できるようにする施策も、ファンの興味獲得を後押ししていると思う」

「(2017年に登場した)新型WRカーでの戦いは、過去に類のないほど僅差になっている。昨年は5人のドライバーが勝利を挙げ、シリーズに参戦している4チームすべてが、少なくとも1勝を挙げたんだ」

 ニールセンの調査では、WRCに参戦している各自動車メーカーは1億ユーロ相当の宣伝効果を得たと分析しているほか、SNSなどでもWRCの人気が高まっていると分析している。