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TOYOTA GAZOO Racing 2019年NASCAR第3戦ラスベガス レースレポート

2019年03月06日 15:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)/Monster Energy NASCAR CUP SERIES第3戦 Pennzoil 400
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第3戦ラスベガス
カイル・ブッシュ、地元ラスベガスでの“スウィープ”ならず

 NASCARは第3戦、アメリカ西海岸へと舞台を移し、カイル・ブッシュの地元、ラスベガスで開催されました。カイル・ブッシュは地元での全レース制覇を目指し開催された3シリーズすべてに出場し、金曜日のトラック・シリーズ、土曜日のエクスフィニティ・シリーズで勝利。トラックはトヨタ・タンドラが開幕3連勝、エクスフィニティではトヨタ・スープラが2連勝となりました。
 
 しかし、日曜日のカップ・シリーズ戦ではカイル・ブッシュは首位を走行しながらピットレーン速度違反のペナルティで後退。追い上げましたが3位でレースを終え、3シリーズ制覇“スウィープ”はなりませんでした。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第3戦 Pennzoil 400
開催日:3月3日

カイル・ブッシュ、地元ラスベガスでの“スウィープ”ならず

 3月3日(日)、アメリカ西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第3戦Pennzoil 400が開催されました。
 
 開幕戦デイトナ、第2戦アトランタとNASCARが主に転戦するアメリカ東部での連戦のあと、舞台はアメリカ西海岸での3連戦へと移ります。西海岸3連戦の初戦はラスベガス。

 この週末、カイル・ブッシュは自身の出身地ラスベガスで、カップ・シリーズだけでなくエクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズの3カテゴリーすべてに出場。カイル・ブッシュは2010年と2017年にブリストルで、NASCAR史上彼しか成し遂げていない、同一週末の3カテゴリー全戦勝利“スウィープ”を果たしていますが、地元のラスベガスでもこれを達成すべくこの週末に臨み、金曜日のトラック、土曜日のエクスフィニティで見事勝利。地元での初“スウィープ”なるかに注目が集まりました。

 予選では、開幕戦デイトナを制し既にプレーオフ進出を決めているデニー・ハムリンが最前列2番手グリッド。カイル・ブッシュが3番手と好位置から決勝に臨むこととなりました。

 3日(日)午後12時18分、1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。

 2、3番手スタートのハムリンとカイル・ブッシュは序盤首位を争い、その後はややハンドリングに苦しみながらもトップ5圏内をキープ。一方、18番手、23番手と後方スタートを強いられたエリック・ジョーンズとマーティン・トゥルーエクス・Jr.も徐々にポジションを上げ、ステージ1はカイル・ブッシュが2位、ハムリン4位、エリック・ジョーンズ5位、トゥルーエクス・Jr.が7位と4台揃ってトップ10でポイントを獲得しました。

 この日のレースは全くイエローコーション(何らかの障害による全車スロー走行指示)が出ない展開となり、カップ・シリーズ戦は各ステージともに最低1度は給油を行う必要がある周回数のため、順調にレースが進行する中、セッション中盤でピットインが行われました。

 ステージ2前半、ライバルと激しい首位争いを繰り広げていたカイル・ブッシュは、129周目にピットへと向かいましたが、ここでピット進入時にピットロードでのスピード違反ペナルティ。大きく順位を落とすこととなってしまいました。

 カイル・ブッシュは一時は周回遅れになったものの、全車がピット作業を終えた時点では首位と同一周回に復帰。ステージ2はトゥルーエクス・Jr.が3位、ハムリンが5位。カイル・ブッシュは18位で終えました。
 
 ステージ3、16位で再スタートを切ったカイル・ブッシュは着実に順位を上げていき、僅か5周でトップ10圏内へ浮上すると、200周目過ぎには5位へ。全車がピットインを終えた残り40周の時点で4位につけると、さらに猛追。終盤にはトップ4台が接近してのバトルとなりました。
 
 そして、残り5周でカイル・ブッシュはついに前の車両を捕らえ、3位に浮上。しかし、追い上げもここまで。前人未踏、地元での3度目の“スウィープ”は再度のチャレンジになりましたが、カイル・ブッシュはトヨタ勢最上位の3位でチェッカーを受けました。
 
 トゥルーエクス・Jr.が8位、ハムリンが10位でトヨタ・カムリは3台がトップ10フィニッシュ。13位でフィニッシュしたエリック・ジョーンズを含めたトヨタの4台が、ドライバーズランキングでトップ10圏内に入っています。

 次戦第4戦は3月10日(日)、アメリカ南西部アリゾナ州エイボンデールのISMレースウェイで行われます。

ドライバー:カイル・ブッシュ
「ピットロードでの速度違反ペナルティを受けていなければ勝てていたでしょう。チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、終盤は本当に速かったです」

「上位勢よりも速いペースで追い上げることができましたが、ライバルに追いついてからは有利な走行ラインを塞がれることで空力的に苦しくなり、ペースが抑えられてしまいました」

「フラストレーションの溜まる終盤戦でしたが、我々のトヨタ・カムリは本当に速いクルマでした。ただ、今回は自分のミスが響きました」


NASCAR XFINITY SERIES
第3戦 Boyd Gaming 300
開催日:3月2日

トヨタ・スープラ2戦連続勝利

 3月2日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第3戦Boyd Gaming 300がラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されました。

 2日(土)決勝を前に予定されていた予選は、降雨のために前戦に続き2戦連続となるキャンセル。決勝のスターティンググリッドは2018年のポイントで決定され、前戦トヨタ・スープラにNASCAR初優勝をもたらしたクリストファー・ベルが3番手、カイル・ブッシュが8番手、ブランドン・ジョーンズが9番手グリッド。しかし、ベルは決勝前に規定外の調整を行ったため、ペナルティで最後尾スタートとなりました。
 
 午後1時20分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られました。
 
 8番手スタートのカイル・ブッシュは16周目にタイヤホイールの緩みに見舞われ緊急ピットイン。周回遅れの33位へと大きく後退してしまいました。
 
 最後尾スタートのベルが順調にポジションを上げ、ブランドン・ジョーンズと共にトップ5を争う一方、カイル・ブッシュは周回遅れから脱するのに苦戦し、ステージ1終了後のコーション時、ピットに入らない作戦で首位と同一周回に復帰。幸運にもステージ2再スタートからまもなくイエローコーションが出たことで、カイル・ブッシュは上位争いに復帰しました。
 
 新しいタイヤと充分な燃料を搭載したカイル・ブッシュはみるみる順位を上げ、ステージ2では2位のベルに次ぐ3位へ。ステージ3の再スタートが切られて間もなく首位に立ちました。

 首位に立ったカイル・ブッシュにチームメイトのベルが続きトヨタ・スープラのワン・ツー体制で抜きつ抜かれつの激しい首位争いを展開。終盤、残り7周でのリスタート時は、カイル・ブッシュとベルが最前列に並び、ブランドン・ジョーンズがその後方2列目4番手からのスタートに。
 
 トヨタ・スープラが上位を占めてのフィニッシュになるかと思われましたが、ファイナルラップを目前にして、ブランドン・ジョーンズは後続から接触されてバランスを崩し、壁にクラッシュ。延長されての最後の2周決戦“オーバータイム”でも多重クラッシュにより今度はベルが巻き込まれてしまいました。
 
 2度目のオーバータイムでの再スタートも着実に決めたカイル・ブッシュが地元ラスベガスで、トヨタ・スープラでの自身初勝利を挙げました。トヨタ・スープラは前戦アトランタでのベルの勝利に続き、2連勝。
 
 カイル・ブッシュは前日のトラック・シリーズに続き、ラスベガスでの2日連続勝利となりました。また、カイル・ブッシュはこの勝利で自身の持つエクスフィニティ・シリーズでの最多勝利記録を93に伸ばすとともに、3シリーズ合計での勝利数を200まで残り3つとしました。

 次戦第4戦は3月9日(土)、ISMレースウェイで行われます。

ドライバー:カイル・ブッシュ
「あれほどポジションを落としてから上位に復帰するのは本当に大変でした。ステージ間でピットインしない作戦を採りましたが、タイヤがもつかどうか不安でした」

「ただ、幸運にもステージ2が始まって間もなくコーションが出てくれて、その後はノートラブルで走りきることができました。昨週、クリストファー(ベル)が勝利した直後に、私がスープラと共に、それも自分のホームコースでビクトリーレーンに上ることができて本当に最高の気分です」


NASCAR GANDER OUTDOORS TRUCK SERIES
第3戦 Strat 200
開催日:3月1日

トヨタ・タンドラ開幕3連勝!

 NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第3戦Strat 200が3月1日(金)にラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されました。

 1日(金)午後6時12分、1.5マイルオーバルを30周、30周、74周の3ステージ合計134周(201マイル:約320km)して競われる決勝レースがスタート。
 
 前戦アトランタで勝利を挙げ、シリーズ通算勝利記録を更新したカイル・ブッシュは今大会もスポット参戦。シリーズ通算22度目のポールポジションを獲得しレースをリード。ステージ1は1度も首位の座を譲ることなくトップで終えました。

 ステージ1は、開幕戦で勝利を挙げたオースティン・ヒルが3位、ハリソン・バートンとトッド・ギリランドの18歳コンビはそれぞれ4位、6位でポイントを獲得。

 ステージ2前のピットで若干ポジションを落としたカイル・ブッシュでしたが、再スタート後僅か5周で首位を奪還。ステージ2も支配しカイル・ブッシュが首位、トッド・ギリランドが4位、バートンが6位、ヒルが8位。

 ステージ3の再スタートは、4ワイド、5ワイドの激しいバトルになりましたがカイル・ブッシュは首位をキープ。好調なカイル・ブッシュは最後も追いすがるライバルを1秒以上引き離してトップチェッカー。

 全ステージ制覇、全134周中110周で首位を走行する圧勝で、カイル・ブッシュが前戦に続きシリーズ2連勝を飾りました。これでカイル・ブッシュは前戦更新した自身の持つシリーズ最多勝利記録を53に伸ばしました。また、トヨタ・タンドラは今季開幕から負け無しの3連勝。

 バートンが5位、ギリランドが7位、ライアン・リードが9位に入りトヨタ・タンドラは4台がトップ10フィニッシュを果たしました。開幕戦を制しプレーオフ入りを決めているヒルは、序盤からエンジン水温のトラブルに苦しみ、ステージ3のスタート後まもなくオーバーヒートでストップ。レースを終えました。

 次戦第4戦は3月23日(土)にアメリカ東部バージニア州マーティンズビルのマーティンズビル・スピードウェイで開催されます。

ドライバー:カイル・ブッシュ
「勝てたときはいつもそうですが、最高の気分です。特に今夜は地元のファンの前で素晴らしい夜になりました。ラスベガスのファンの皆さんがレースを楽しんでくれれば言うことはありません」

「ルーキーの頃、下位シリーズで戦っていた時のことを少し思い出しました。とにかく、ビクトリーレーンに上れて良かったです」