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“攻め”の姿勢を感じるレッドブル・ホンダの新車RB15、ロングランペースにライバルも警戒/F1合同テスト総括(2)

2019年03月06日 11:01  AUTOSPORT web

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F1バルセロナテスト:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
スペイン・バルセロナで行われたF1プレシーズンが終了し、3月15日~17日に開幕するF1オーストラリアGPを待つのみとなった。連日のテストを終え各チームの仕上がり具合が気になるところ。果たして昨シーズンから勢力図は変わるだろうか。今回はピックアップした5チームの展望を紹介していく。第2回はレッドブル・ホンダF1だ。
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 レッドブル・ホンダは、その究極的な速さを明かすことなく、開幕前のテストを終えた。

 2018年シーズン終盤、レッドブルはマシンに大規模開発を入れることがなかった。これは王座争いからすでに脱落したというのも一因だが、さらに大きかったのがホンダとの新パートナーシップ締結だ。提携1年目から最大限の結果を出すべく、レッドブルは技術的リソースを2019年新車開発に集中させた。ホンダのパワーユニット(PU/エンジン)のレイアウトはいち早く掌握し、シャシーとのマッチング作業に努めたのだ。その結晶として、2019年の新車『RB15』は生み出された。


 ホンダ製パワーユニットは他社製と較べ、パッケージングとしてコンパクトと言われている。レッドブル技術陣はその利を、RB15の開発に存分に活かした。前年型と比較すると、サイドからリヤにかけてのボディワークが極限レベルに絞り込まれた。F1でも最先鋭の空力を自負する、このチームらしい“攻め”だ。前年型からのキープコンセプトではあるものの、ワイドだったノーズもややスリム化された。

 ただ、ボディワークを究極なまでに絞るということは、空力的に大きなゲインとはなるが、やはりパワーユニットを始めカウル内の冷却には不安が出る。前年のシーズン、他のルノー・ユーザーたちと比べてレッドブルのパワーユニットに多くトラブルが出たことは、この空力至上思想が原因ともされた。だが、ホンダPUは一度も大きなトラブルを出すことなく、開幕前の8日間のテストスケジュールを乗り切る。不安視された、信頼性の問題は出ていない。

 レッドブルは昨年までのルノーと組んでいた時代、パワーユニットの性能に不満があれば、容赦なく尖ったコメントが陣営から出ていた。これについてもオフのテスト期間中、ドライバーやチーム首脳からはホンダに概ね好意的なコメントが並んでいる。あとは開幕からの“本番スペック”で、ライバル3社に対してどれだけの位置につけられるかだろう。

■テスト最終日に全力で走行できなかったレッドブル・ホンダ



 メルセデス、フェラーリ、レッドブルの現代F1をリードする3チームは、テストの最終2日間を新車から“究極パフォーマンス”を引き出す日程に位置づけていた。ところがその初日、今季トロロッソから昇格したピエール・ガスリーがクラッシュ、RB15に大ダメージを負わせてしまった。

 マシンはひと晩をかけて修復されるが、一部にはテスト初期段階のパーツを使用せざるを得ず、最終日に向かうことになった。つまり最新のフルパッケージではない状態で、揚げ句ギヤボックストラブルが出て、RB15テスト総仕上げの走行はわずか29周で打ち切られた。

 その結果、今季チームリーダーを担うべきマックス・フェルスタッペンによる、ピレリのもっとも軟らかいコンパウンドを履いた“全力ラン”は見られず。一発のパフォーマンスで謎を残したまま、新生レッドブル・ホンダは2019年シーズン開幕を迎える。

 ただ、先に示したロングランペースには、メルセデスが警戒を深めている。下馬評はフェラーリが一歩抜け出す形だが、レッドブル・ホンダRB15のポテンシャルはまだベールのなかに隠されている。


F1合同テスト総括(3)に続く