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『ジュラシック・ワールド』『ハリー・ポッター』……映画を題材にしたARゲームの魅力

2019年03月06日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 映画を題材にしたARゲームが最近増えている。すでに配信が始まっているもので、『ゴーストバスターズワールド』『Jurassic World アライブ』など。さらに『ハリー・ポッター: 魔法同盟』が現在開発中だ。


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 現実世界に情報を付与し、ゲームと実行動とリンクさせるARゲームは、「位置情報ゲー」とも呼ばれている。Niantic, Inc.が立ち上げた、現在テレビアニメも放送中の陣取りゲーム『Ingress』に始まり、同社が開発した『Pokemon GO』が代表作だろう。現実世界の地図上にポケモンが出現し、捕獲ができるとのことで話題になり、老若男女問わず人気を博した。多くの人が駅前や町のスポットに、スマホを持ち立ち止まっていた姿が記憶に新しい。


 この『Pokemon GO』のあおりを受け、近年ARゲームが次々と誕生している。『Jurassic World Alive』では、ポケモンではなく恐竜を捕まえることができる。『Pokemon GO』と同じゲーム性と思いきや、映画の世界観を取り入れたひと工夫がされている。


 『Jurassic World Alive』では、モンスターボールではなくドローンからダーツと呼ばる注射器を打ち込み、DNAを採取する。恐竜を捕まえてテイムするのではなく、DNAを集めて新たな恐竜を誕生させるといった仕組みだ。DNAを規定ポイントまで貯めないと、恐竜を作ることができず、創造するために何度も同じ恐竜に挑む必要がある。


 また、集めた恐竜それぞれのDNAを合成して、新たなハイブリット恐竜を生み出すこともでき、RPG的要素も備わっている。『ジュラシック・ワールド』で登場したインドミナス・レックスやブルー、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で登場したインド・ラプトルといったキャラクターも実装されており、原作の世界観に沿ったゲームデザインがなされている。


 プレイヤー同士の対戦が存在するのも特徴だ。恐竜を4体創造することで解放されるバトルでは、自分の育てた恐竜を1体ずつ選出し、3本先取の対戦ができる。恐竜ごとに異なったスキルが存在し、DNAによって強化することもできるので、戦略性も備わっている。ユニバーサルそのものが監修に携わっていることもあり、恐竜自体の造形も作りこみが細かく、CGテクスチャや色の再現などクオリティも申し分ない。


 『ゴーストバスターズワールド』では、ゴーストを捕獲&収集する。捕獲は、原作のようにプロトンビームを撃って弱らせたゴーストを、捕獲機(トラップ)で捕まえる。捕まえたゴーストたちは、育成してストーリーモードなどで戦わせることが可能だ。ゴーストの育成のほかに自身の武装も強化することができ、さらには時間と場所を限定してポップするボス級のモンスターを周囲のプレイヤーと協力して倒すレイド戦なども存在し、各ゲームで、原作の世界観の構築も最大限意識した作りこみがなされている。


 そして、先日PVが投下され話題となった『ハリー・ポッター:魔法同盟』は、2019年の配信が予定されている。『Pokemon GO』の開発元であるNiantic Inc.とWB Games San Franciscoが共同で開発する本作は、呪文を学び、街を探索しながら伝説のビーストたちと戦うといった、J. K. ローリングの描いた魔法の世界を再現する。


 現実世界や夢や冒険を生み出す映画は、現実を拡張するARコンテンツと相性がいいのだろうか。今後もこういった開発ラッシュは進んでいくと思われる。いずれは各ゲームで、相互に交流を持つことのできるユニバースが構築されたら夢のようだろう。


(安田周平)