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PS4『Anthem』プレイ時のクラッシュに対し、ソニーが払い戻しを開始 ゲームスタジオ存続を危ぶむ声も

2019年03月06日 09:31  リアルサウンド

リアルサウンド

 斬新で魅力的な空中戦が体験できるゲームとして、鳴り物入りでリリースされた『Anthem』が現在、試練に直面している。同ゲームはPS4/XBox One/PCに対応しているのだが、PS4でのプレイ時に深刻な事態に陥るのだ。以前から重大なエラーも報告されており、一部のプレイヤーは開発したBioWareの存続を危惧しているほどだ。


(参考:『ANTHEM』プレイレビュー アクションとストーリーの両立に成功したハクスラTPS


■最悪PS4が「レンガ」に
 ゲームメディアのIGNは4日、PS4でAnthemをプレイするとクラッシュ(ゲーム機が動かなくなりプレイができなくなる)が発生するという報告が多発していることを報じた。このクラッシュバグについては、アメリカの有名掲示板サイトであるReddit、Twitter、そしてAnthemの公式フォーラムに書き込みがなされている。


 クラッシュバグについてRedditに書き込んだプレイヤーのforthemasterによると、クラッシュが発生すると、その後にAnthemのメインメニューあるいはPS4のメニュー画面から再起動することもある、とのこと。また同ゲームのフォーラムには、クラッシュ発生時の様子として「ゲーム機の電源プラグを不用意に抜いた、あるいは突然電気が止まった時」のようにゲーム機がクラッシュする、と書き込まれている。


 さらに複数のRedditの書き込みによれば、クラッシュ発生後にPS4自体が動作しなくなり「レンガとなってしまう」という深刻かつ重大な事態が発生する、とも報告されている。


■払い戻しは始まったものも……
 以上のようなクラッシュ発生をうけて、ソニーはAnthemに対する払い戻しを始めたと、ゲームメディア『VG247』は3日公開の記事で伝えた。払い戻しを受けたプレイヤーでReddit愛好者でもあるRedditネーム「SoundAndFury87」は、ソニーはクラッシュ問題を完全に認識しており、払い戻し請求に対して何ひとつ質問されるようなことはなかった、とRedditに書き込んでいる。


 同じくRedditユーザのsecond commentorは、ソニーのサポートセンターに問い合わせたところ、ソニーとしてはPS4を危険にさらしたくなく、またAnthemは完全に欠陥品であるという説明を受けた、とコメントしている。


 その一方で、払い戻し請求を拒否されたプレイヤーもいるようだ。サポートセンターに問い合わせたところ、同ゲームをプレイしないことをアドバイスされた、という報告もある。


■ゲームスタジオ存続を危ぶむ声も
 実のところ、Anthemは以前から動作に問題があることが指摘されていた。例えば、先行アクセス版において画面のローディングが遅かったことから、正式リリース前に多数の不具合に対応したDay1パッチが配布されていた。正式リリース後も、プレイ中にサーバ接続に失敗するエラーが頻発していた。このエラーに関しては、Twitterで「ANTHEM エラー」で検索すると、バグに見舞われたプレイヤーのツイートを閲覧することができる。


 テック系メディア『PiunikaWeb』は2日、以上のサーバ接続エラーを改修する緊急サーバメンテナンスが実施されたことを伝えた。その報道によると、Anthemの配給元であるEAのヘルプセンター「EA Help」は、緊急サーバメンテナンスのために一時的にゲームにログインできなくことをツイートした。その後、メンテナンスが終了したことをツイートした。しかし、メンテナンス後も依然としてサーバ接続エラーが発生することが、多くのプレイヤーから報告されている。


 テック系メディア『Tech News Watch』は3日、一部のAnthemプレイヤーが開発元のBioWareの存続を危ぶんでいることを報じた。BioWare存続を危惧するのには、もっともな理由がある。同ゲームの配給元であるEAは、過去に期待に応えることができなかったゲームスタジオを閉鎖したことがあるからだ。こうした危惧の声に対して、同ゲームのプロデューサーであるMichael Gamble氏はBioWareが閉鎖されるのではないかという心配は無用である、とツイートした。そして、わたしたちは大きな支持を得ています、と続けてツイートした。追加のツイートで言われている「大きな支持」というのがEAを指しているのか、それとも同ゲームのファンのことを意味しているのかは明確ではない。


 Anthemは空中バトルがずば抜けて魅力的なだけに、報告されている重大バグを改修して本来のあるべき姿となることに大いに期待したいところである。もっとも、ファンがいつまでも待っているわけではないだろうが。


(吉本幸記)