毎年恒例の鈴鹿モータースポーツファン感謝デー(3月2日~3日)が盛大に開催された翌日、鈴鹿サーキットでは2019年度第1回全日本スーパーフォーミュラ選手権合同テストが開催されました。全12チーム20台がニューマシンSF19で登場し、ファン感謝デーの当日にシェイクダウンを済ませ、新たなシーズンのスタートとなる2日間の合同テストを迎えました。
両日ともに午前午後の2時間ずつ、合計8時間のテストセッションが設けられており、この短い時間のなかでどこまでニューマシンを煮詰めていけるかが、今年のチャンピオン争いを占ううえで重要な意味をもちます。
あいにく、初日の午前中のセッションは前夜から降り続いた雨のせいでウエットコンディションとなりました。ただし天気予報では午後から次第に好転していくとのことで、主催者側もこの状況を鑑み、初日の午前中のセッションを45分短縮し、その削られた45分間を翌日、5日の午前中に15分、午後に30分延長させることで、各チームがよりしっかりと準備に励めるようタイムスケジュールの変更が発表されました。
ITOCHU ENEX TEAM IMPULのドライバーとして4年目を迎える関口雄飛は、今年、シリーズチャンピオン獲得を最大の目標としています。
デビュー初年度はルーキーでありながら2勝、2年目も2勝、そして昨年は1勝をあげて最終戦までタイトル争いに残りながらもいまだチャンピオン獲得はできておらず、全車ニューマシンとなる今年をチャンスと捕らえ、王座獲得に全身全霊を注いでいます。
セッション初日の午前は、路面コンディションを考慮してタイヤを温存し、午後のセッションでセットアップを煮詰めながら、最後のアタックで1分36秒730をマーク。その時点では2番手タイムをマークしてみせましたが、各車がセッション終盤にニュータイヤを投入してタイムアップした結果、最終的には初日総合5番手でセッションを終えました。
■関口雄飛のコメント
「ニューマシンは、その基本設計の変化とフロントタイヤのサイズ変更によって、低速コーナーは良いフィーリングなのですが、高速コーナーでのフィーリングが自分の感覚的にはいまひとつでした。エンジニアとセットアップを煮詰めていったのですが、完璧にそのいやな感触を取り除くまでには、今日は時間が足らなかったのが現実ですね」
「それでも今日見いだしたベースセットアップには満足していますし、コンディションさえよければ、明日はもっとタイムを詰める自信はあります。ただ、昨日のファン感謝デーでも感じたことなんですが、昨年のマシン同様、僕のマシンはウエット路面では雨量が多いと良いフィーリングなのですが、雨が弱まると、ライバルたちがタイムアップするのと比率して、そのタイムアップ率が低いのです」
「この課題を解決しておかないとウエット路面での戦いが厳しくなるだろうと予想されますので、エンジニアと原因追及に励みます。とにかく今年は勝負の年ですから、明日も1日を有効に使って、実り多きテストにしたいと思っています」