フェラーリの代表に就任したばかりのマッティア・ビノットは、ふたりのドライバーの扱いに関して、「シャルル・ルクレールよりセバスチャン・ベッテルに、より多くのチャンスを与える」旨の発言をした。
それについて、1990年代初めにフェラーリに所属していたアラン・プロストは、「彼らのやり方は、十分に理解できるものだ」と語った。
「ライバルチームとは比較にならないほど大きな注目を浴び、プレッシャーを受け続けるフェラーリは、つねに最高の結果を出すことが求められる。そしてそれを遂行するには、ふたりのドライバーを自由に戦わせることは必ずしもベストの方法ではない」
「代表になったばかりのビノットが、この微妙な問題についてはっきり言及したことを、私は高く評価したいね。部下たちは新しいボスの考え方を、早く知りたがっていた。そして今回それがはっきり理解できたことで、いっそう仕事に集中できる。その点はスタッフだけでなく、シャルルにとっても同じことだ」
一方、自身がスペシャルアドバイザーを務めるルノーに関しては、「フェラーリとは、状況が違う」と言う。
「ルノーには、ナンバー1ドライバーはいない。(ダニエル・)リカルドと(ニコ・)ヒュルケンベルグは、完全に同待遇だ。われわれはそれが、最善の方法だと信じている。もちろんレース週末には、どちらかが相手より速く走ることもあるだろう。しかしふたりとも、十分に大人だ。健全なバトルを繰り広げてくれるはずだよ」
バルセロナのウィンターテストの際にビノット代表は、「もしレース週末にふたりのドライバーが微妙な状況に置かれた場合は、新人のルクレールより経験豊かで実績のあるベッテルを重用する」とコメント。ルクレール自身も、「まったく論理的な方針だ」と、異は唱えていなかった。