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永野芽郁が衝撃の告白、菅田将暉は涙ながらに熱弁 『3年A組』驚きの展開へ

2019年03月04日 11:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 3月3日に放送された日本テレビ系列日曜ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』第9話は、突然数年後へと時間軸が移動する。かつて3年A組として柊(菅田将暉)に協力した生徒たちが、柊の3回忌に教室に集まるのだ。それぞれが近況を語り合う和気あいあいとした中、茅野(永野芽郁)の姿だけがない。そして逢沢(萩原利久)は澪奈(上白石萌歌)を映したドキュメンタリー映画を上映するのだ。


参考:『3年A組』今田美桜が語る、菅田将暉ら共演者から受ける刺激 「追いつけるように頑張りたい」


 これまでのこのドラマの“パターン”ともいえる展開といえば、澪奈の死の真相へとつながるヒントを求め、劇中における現在から過去へと遡及しながら解き明かしていく流れであった。そしてひとつが明らかになれば、それに付随する別の疑惑が浮き彫りになりながら、回を重ねていく。しかしながら今回はまったく趣が異なっていた。“未来”を先に描くことで、これまで観てきた時間軸が遡及されるべき“過去”へと変化していたのだ。


 今回と同じように、少し先の展開を先に提示した部分というのは第1話にも登場していた。それは3月10日。つまり一連の事件の最終日と思しき日に、柊が屋上から飛び降りるという冒頭のシーンである。しかしこのシーンについては、後々柊自身の口から「夢」として同じ情景が語られることで、一種のミスリード的なものであったことが示唆される。今回の場合は、“未来”パートで教室に遅れて入ってきた茅野が目にする、ドキュメンタリー内での昇降口での茅野と澪奈を映した映像と、“現在”の最後で茅野が語る「私が澪奈を殺した」という言葉が明確に紐づけられながら、その顛末は最終回へと持ち越される。このドラマが持つ良い意味での“意地の悪さ”といえよう。


 この“意地の悪さ”はもうひとつ、柊の最後の“俺の授業”で語られるすべての真相の中にも垣間見えた。涙ながらに立てこもりの理由を語る柊が明かす、3つの目的。「武智大和に過ちを気付かせること」と、生徒たちに「考えることの大切さを伝えたかった」ということ。しかし、もうひとつの理由と澪奈を殺した本当の犯人の正体については実にあざとく伏せられていたのだ。序盤の頃のようにまっさらな状態とは異なり、ある程度ドラマ全体の形が見え始め、ミステリーとしての質が向上した今となっては、この狙いすぎとも思える部分さえなかなかクセになるものだ。


 茅野が前述の告白をあえてしたことを踏まえると、柊が語り、伏せられていた“本当の犯人”とはまた別の誰かなのかもしれない。また、郡司(椎名桔平)を人質にして屋上で警察と向き合う柊を撃ち抜いた銃弾を誰が放ったのか。一気にこれまでの伏線を収集し、どのような形で結末へと運ぶのか。このドラマが単なる問題作に終わるのか、それとも時代を象徴するドラマとなるのかは、そこにすべてがかかっているだろう。(久保田和馬)