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「S字はずっと滑っていました(笑)」佐藤琢磨がインディ500優勝マシン×雨用タイヤでデモラン【モースポフェストピックス後編】

2019年03月03日 19:21  AUTOSPORT web

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水しぶきをあげインディカーを走行する佐藤琢磨
3月2~3日、鈴鹿サーキットでホンダ、トヨタ、モビリティランドの3社による共催イベント『モースポフェス2019 SUZUKA~モータースポーツファン感謝デー~』が開催された。両日ともに大勢のファンが詰め掛けたが、豪華イベントやサプライズでの盛り上がりをトピックスでお届けする。

■スバルとトヨタのラリーカー共演でマキネンが大暴れ
 2018年のニュルブルクリンク24時間レースに参戦し、総合62位/SP3Tクラス優勝という結果を残したスバル/STIの山内英輝と、TOYOTA GAZOO Racingの蒲生尚弥が登場。これまでのニュルでの戦いを振り返った。

 その後は井口卓人と新井敏弘も登場し、SUBARU勢によるトークショーに。ラリーカーの同乗体験について聞かれた井口は、「新井さんの隣には乗りたくありません(笑)」と発言して会場を沸かせた。

 2019年シーズンについては、新井は2週間後に控えた新城ラリーへの意気込みを語り、「ファンの皆さんにも楽しんでいただければと思います」とコメント。井口は「スタンドを見ても、SUBARUの帽子をかぶった方が多いようですね。ニュルもスーパーGTも頑張ります」と語り、山内は「ニュルのクラス2連覇を目指して頑張ります」と述べた。

 トークショー後にはデモランが行われ、新井は土曜日に引き続きスバル・インプレッサWRC98を、井口がSUBARU BRZ R&D SPORTを、そして山内がスバルWRX STIをドライブ。新井はデモランの最後にヤリスWRCをドライブするトミ・マキネンとこのモースポフェスで2度目の共演を果たした。 

 ヤリスWRCを降りたマキネンは、この週末にフィンランドでラリーに出場しているトヨタの育成ドライバー、勝田貴元についても「できるだけ早く世界で戦うことができるように育成しようとしています」とコメント。最後には、2019年はチームタイトル、ドライバータイトル、コ・ドライバータイトルという3つのタイトル獲得を狙っていると締めくくった。

■雨のデモレースでスーパーGT車両が接戦。ギリギリ逃げ切り1号車勝利
 スーパーGT 世界に誇るハイコンペティションシリーズは、走行前に伊沢拓也(ARTA)、大嶋和也(LEXUS TEAM LEMANS WAKO’S)、中山雄一(LEXUS TEAM SARD)、高星明誠(NDDP RACING with B-MAX)によるトークショーが行われ、2019年シーズンに向けた意気込みを語った。

 その後は8分間のウォームアップ走行を行い、ローリングスタートでデモレースがスタート。ただKONDO RACINGの24号車がGT500クラスの隊列に追いつけないままのスタートとなってしまった。

 ウエットコンディションでのデモレースは、TEAM KUNIMITSUの1号車RAYBRIG NSX-GTとTEAM IMPULの12号車カルソニックIMPUL GT-Rが首位争いを繰り広げ、最後はわずかの差で1号車がトップでチェッカーを受けた。GT300クラスも接戦だったが、Modulo Drago CORSEの34号車Modulo KENWOOD NSX GT3が制した。

■雨のなかインディカー走らせた琢磨、走行のために当時の「エンジニアからマッピングを取り寄せた」
 日本人で初めてインディ500を制した佐藤琢磨は、前日と同様にインディ500で優勝したマシンに当時のエンジンを積んで走行。しかし、3日は雨で路面がぬれていたためレインタイヤを履いての走行となった。

 スーパースピードウェイパッケージのインディカーマシンでウエットタイヤを履くのはこれが初となる琢磨は、鈴鹿サーキット・レーシング・スクールのフォーミュラカーに乗ってステージに登場する。

 走行前には「4速でもホイールスピンしそう」とコメントした琢磨。そのデモランではホイールスピンさせながら走り出す。

 最終コーナーの立ち上がりではリヤを滑らせながら加速し、ファンにインディカーのサウンドを届けた。ホームストレートでは、ウエットコンディションでもドーナツターンを決め、ステージに戻るとインディ500で優勝したときのガッツポーズを披露した。

 走行を終えた琢磨は、雨のなかインディカーを走らせた裏話を披露。2日目の走行のためにセッティングのマッピングを取り寄せたという。

「(雨のなかの走行は)本当にドキドキでした。スタートはホイールスピンしましたし、S字ではずっと滑っていました(笑)。温度が低くてエンジンがオーバーブーストしたので3回くらいマッピングで調整しました。2周目はよくなってきて、タイヤも暖まってきたのでストレートは全開で行きました」

「昨日走った時にマッピングが合っていなくて、2017年にインディ500で勝った時のエンジニアからマッピングを取り寄せて入れたけど、気候が違ったから合わなかったんですよ。それができるのも現役のマシンならではですし、楽しかったです」

■道上は急きょ市販タイヤを改造し出走!?『新・永遠のライバル対決』はウエットで再び
 昨日に続いて行われた『新・永遠のライバル対決』。モースポフェス2日目はあいにくの雨となってしまったが、初日のレース結果に基づいてポールポジションに本山哲、2番手に道上龍、そして3番手に脇阪寿一がついた。

 1周目の1コーナーで脇阪がトップに浮上するも、翌周には本山がポジションを取り返す。トークショーでは“雨の道上”と呼ばれた道上もポジションを上げるなど、初日同様の激しいバトルが繰り広げられた。最後は本山と脇坂がトップを争い、脇阪がトップでチェッカーを受けた。昨日のレース結果とのポイントを合算し、もっとも多くポイントを獲得した本山が初代チャンピオンに輝いた。

 ただレース後、道上はこのレースで使用するCastrol 無限 NSXのウエットタイヤの用意がなかったことを明かした。そこで急きょ、市販のタイヤに切り込みを入れてNSXに装着させたため、まったくグリップしない状況での走行となってしまったようだ。だが、ファンのためを思うホンダ、タイヤメーカー、そして道上らの気持ちの詰まった走行となった。

■雨でも迫力のウィリーを披露
 2日目の鈴鹿8耐プレシーズンマッチには8台のマシンが集結。鈴鹿8時間耐久ロードレースと同じくル・マン式スタートから走行がスタートした。

 ホールショットはヨシムラスズキMOTULの加賀山就臣が奪い、以降は渡辺一馬、高橋巧が順位を入れ替えながら周回。最後は加賀山がウィリーしながらチェッカー。

 日本のトップライダーたちがウエットコンディションのなかでも、ファンに迫力の走りを披露した。

■モースポフェス2日目は鈴鹿8耐ライダーが玉入れで対決
 初日にトヨタ・ホンダ4輪ドライバーたちによるトークショーと大運動会が行われたモースポフェス。2日目には、鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦ライダーたちによるトークショーと大運動会が開催された。

 イベントには加賀山就臣、渡辺一樹、津田拓也、渡辺一馬、ジョシュ・フック、秋吉耕佑、高橋裕紀、高橋巧、水野涼、中須賀克行、野左根航汰、前田恵助の12名が登場。

 大運動会ではライダーがファンとともに玉入れを2回勝負を実施。白組にカワサキとヤマハのライダーが、紅組にはスズキとホンダのライダーが加わり、紅組が2連勝で勝利した。

 最後は白組に参加した2018年JSB1000王者の中須賀が「玉入れでは負けましたが、レースでは負けません」とコメントしイベントを締めくくった。

■2019年版レッドブル娘とトロロッソ娘を早くもお披露目
 JMS P.MU/CERUMO・INGINGの山口美羽ちゃんを描いている原画家P2Wさんによる作品『GP娘』。

 モースポフェスには、2019年仕様のGP娘、レッドブル娘とトロロッソ娘が飾られ、レッドブル・ホンダのピットにも登場した。