ダニエル・リカルドは、2018年にレッドブル・レーシングを離れたのは、レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーが主張するように、元チームメイトのマックス・フェルスタッペンを避けるためではなかったと否定している。
F1による公開間近のドキュメンタリーシリーズ“Formula 1: Drive to Survive”は3月からNetflixで初放映される予定だが、そこにはホーナーがリカルドのルノー移籍の決断について疑問を呈している場面が含まれている。
「私が思うに、彼は戦いから逃げている」とホーナーはドキュメンタリーの中で断言しており、リカルドのフェルスタッペンとのライバル関係と、2018年シーズンはフェルスタッペンがリカルドよりも優位に立っていたことをほのめかしている。
ふたりはレッドブルで円満な関係にあったが、リカルドは最近になって、アゼルバイジャンGPでの劇的な同士討ちの後のフェルスタッペンの態度をはっきり批判している。この同士討ちにより、ふたりはその日のレースをリタイアした。
この事故は、リカルドがレッドブルと袂を分かつ決断をした“小さな理由のひとつ”だったという。
オーストラリアのウェブサイトEFTMのインタビューで、リカルドはホーナーの主張した推測と、“戦いから逃げた”という発言に反論した。
「まず、そういう意見を持っているのが彼だけではないことは確実だと思っている。そのことについて人々がどのように思いたがったり、言いたがったりするかは分かるよ」とリカルドは語った。
「誰もが意見を持っている。意見は何もないところから引き出されてきたわけじゃない。それが現実なんだ。はっきりいうけどノーだ。それは真実じゃない。僕は激しい戦いが好きだ」
「理由はマックスよりも僕自身に関わることだ。自分自身についてのことで、多くの理由がある」
「ひとつには、何度か言ってきたことだし、一部の人たちは理解してくれると思うけど、僕はレッドブルに5年いた」
「レッドブルは世界タイトルを4回獲得していて、僕はそのすぐ後に加入した。5年間で、1年目から僕は世界タイトルを勝ち取るつもりだった。そうなるはずだった」
「でもそうはならず、僕たちはタイトルに近づくことすらなかった。そのことを苦々しく思ってはいない。それが起きたことなんだ」
リカルドは再度ルノーへの移籍を弁明した。移籍を決めたのは、レッドブルがホンダのパワーユニットへの切り替えを決定したことで、チームに関わる上でのリスクと利益の面での魅力が減ったからだという。
「この環境で僕はフラストレーションを抱えることがとても多くなった。“可能性があったかもしれない”とか、“2013年にレッドブルに入っていればよかった”とかいつも言っているような、不幸で悲惨な人間になりたくなかったんだ」とリカルドは付け加えた。
「だからマックスが理由ではない。(でも)このことを一部の人々がどう考えるかということは理解している」