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「ダンまち」ヘスティア“例の紐”はオシャレ? 日本ファッション協会に聞いた「現実でも流行る可能性が…」

2019年03月02日 20:02  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ─ オリオンの矢 ─』PV場面カット(C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会
劇場版『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか-オリオンの矢-』が2月15日より公開中だ。原案のライトノベルはシリーズ累計発行部数1000万部突破し、コミカライズ、アニメ、ゲームと様々なメディア展開を見せてきた。



人気を牽引するのは、何と言っても魅力的なキャラクターたちの存在。中でも屈指の人気を持つのが女神ヘスティアだ。
「ロリ巨乳」のあだ名で呼ばれる彼女の服装は、白服で清楚な印象を与えつつも、胸から背中にかけて囲むように二の腕で結んだ青いリボンが、まるで豊満な胸元を支えているかのような独特なファッションだ。



ここで素朴な疑問がある。SNSを中心にファンの間で話題となった“例の紐”は、ファッションとしてはいかがなものなのだろうか?
「一般財団法人 日本ファッション協会」の日根野氏に見解を訊くと、意外なコメントが返ってきた。
→次のページ:ヘスティアのファッションは“禁断の果実”?

■ヘスティアのファッションは“禁断の果実”! 紐の使い方は若者たちの間で流行る!?
日根野氏はヘスティアのファッションを白服、青いリボン、紐の3つの観点から説明。
まず衣装デザインについて、「エロティシズム」と「清楚」のコラボレーションが成立していることを挙げた。

「白と青の組み合わせが清楚なイメージを与えるため、胸元の大きく空いた衣装でも淫靡なイヤラシさを漂わすことなく、清潔感のあるエロティシズムを感じさせます」(日根野氏)。

また、髪飾りや首元のリボンに関しては、ロリータファッションの流れを汲むのではないかと述べた。
本来のロリータファッションでは、肌を露出することがタブーとされていることから、日根野氏は「ヘスティアのファッションにおける大胆な肌露出は、禁断の果実を見せつけられているような危うさがあり、それがまた魅力的に映るのではないでしょうか?」と分析した。

そのうえで、ヘスティアの「紐」の使い方は新しいと絶賛。
紐自体は2017年頃からストリートの若者たちの間でも、ヴィンテージファッションの注目アイテムとして人気があり、紐チョーカーに始まり、レースアップシューズ、紐ベルトなど、様々なアイテムへと広がって来た背景がある。







「ヘスティアの紐の使い方は、フェティッシュなファッションを好む人たちを中心に、リアルなストリートでも流行る可能性はあります」(日根野氏)。

■現実のファッション業界において「紐」を使うメリットは?
ファッションにおいて紐が重宝される理由は、2014年頃から「ノームコア(普通がかっこいい)」というトレンドが広がり、一気に服装がシンプル化したことに由来する。

全員がシンプルだと個性が出しづらくなるため、小物やアクセサリーで色々と工夫する流れが出てきた一方、「あまり派手なモノを組み合わせると、ノームコアの主旨からはズレる」ため、「スカーフをベルト代わりにしたり、トレントチコートの上から幅の広いベルトをしたり、普通の衣装アイテムを違った使い方でアクセントとした」背景がある。そうしたアイテムの1つとして、紐はシンプルだからこそ映えるのだ。





■ファッションにおける評価の基準はあるのか?


一方で、ファッションにおける明確な評価基準は無い。日本でも以前はファッションジャーナリストや海外での評価が高いと流行したが、現在はSNS(特にInstagram)での人気が、リアルマーケットでの販売をも左右するような時代になってきているからだ。

「2016年には、ルイ・ヴィトンが、『ファイナルファンタジー』のヒロイン・ライトニングを公式ファッションモデルとして起用するなど、アニメやマンガ、ゲームとファッションとの関係も親密になりつつあります。カッコイイやカワイイの基準も専門家ではなく、ユーザー主体の時代となったのでしょうね」(日根野氏)。