2019年F1プレシーズンテスト最終日、レッドブル・レーシングは29周しか走行できずに終わった。ギヤボックスの問題に見舞われたために走行時間を大幅に失ったのだが、マックス・フェルスタッペンは、前日にピエール・ガスリーがクラッシュを喫してマシンが大破したことが、十分な周回ができなかったことの原因であると述べている。
テスト3日目の木曜午後、ガスリーはターン9でコースから少しはみ出して芝に乗ったことでスピンし、バリアに激しくクラッシュした。これによりRB15は大きなダメージを負い、この日の走行は切り上げられた。
チームはパーツを取り寄せ、長時間をかけてマシンの修復にあたり、金曜朝のセッションが開始して約30分後、フェルスタッペンをコースに送り出した。しかし29周を走った後、フェルスタッペンの乗るRB15はコース上に姿を見せなくなった。チームは、ギヤボックスの問題について調査しており、それによって走行できずにいるとコメント。結局走行を再開することはできず、フェルスタッペンのベストタイムは午前にC3タイヤで記録した1分17秒709にとどまった。他の全員が最もソフトなC5でタイムを出したため、フェルスタッペンはタイムシート上、11番手に沈む結果になった。
チームは公式コメントで「ギヤボックスの問題によってスケジュールを切り上げたため、29周しか走れなかった」と説明している。一方でフェルスタッペンは、ガスリーのクラッシュによってパーツが足りなくなった影響が大きかったと発言した。
■「パーツが足りず、走り出せただけで奇跡だった」とフェルスタッペン
「昨日のクラッシュが関係している」とフェルスタッペンが語ったとFormula1.comが伝えた。クラッシュの後、チームは多数のパーツを交換するなかで、ギヤボックスも載せ替えたという。
「(ギヤボックスを交換したわけだが)テストではパーツの数が限られている。2基壊れてしまうと、理想的な状況とはいえない」
「それでもチームは昨夜、素晴らしい仕事をして、マシンの準備をしてくれた。たくさんのパーツを取り寄せて、懸命に作業し、セッション開始からわずか30分でコースに復帰させてくれたんだ」
「今日あまり走れなかったことが、今後にあまり響かないといいね。僕としては、シーズンをいい状態でスタートできると自信を持っているよ」
フェルスタッペンは、自身の公式サイトにおいて「今朝、走り出せたこと自体が奇跡だったんだ」と語っている。
「パーツが足りなかったから、夜のうちにイギリスから取り寄せなければならなかった。でもギヤボックスは(2回の)クラッシュで2基壊れてしまったから、十分な数が残っていなかった」
「何かを学ぶという意味で、たくさん周回することはいいことだ。だから今日はあまりいい一日ではなかった。それでもペースの面ではとてもよかったと思う。僕らは燃料をあまり積まないで本格的にプッシュするラップを走らなかった。でもロングランではトップ3の差はかなり小さいようだ。それについては喜んでいいと思う」