イギリス人女性ドライバーのアビー・イートンがマット・ストーン・レーシング(MSR)と契約を結び、2月28日~3月3日にオーストラリア・アデレードで開幕するVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー併催の下位シリーズ、ダンロップ・スーパー2にデビューすることが決まった。
ここ数シーズンはGTカテゴリーでマセラティ・グランツーリスモMC GTやフェラーリ488GT3などをドライブしてきた27歳のイートンは、イギリスBBCの伝説的自動車番組『トップギア』のプレゼンター陣が新たにスタートさせた“グランド・ツアー”のシーズン2からテスターに起用され、その名を一躍轟かせた。
その仕事と並行して2018年のクリスマス前からオーストラリアに渡ったイートンは、VASC参戦に向けテストの機会を持ち、ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドとMSRのSuper2参戦車両をドライブ。その結果、開幕直前の段階ながらMSRのシートを獲得し、かつてVASCでタイトルを獲得したトリプルエイト・レースエンジニアリング製のホールデン・コモドアVFのステアリングを握ることが決まった。
「昨年終盤からこのオーストラリアに通って、そして今こうしてアデレードのグリッドに並ぶことが実現するなんて本当に驚くべきプロセスだったと言えるわ」と、Super2初参戦に向け喜びを語ったイートン。
「これを実現するために、私は昨年の6月から昼も夜もなく活動を続けてきた。そして先週の土曜日にミラクルでシュールな展開を見せて、この契約を獲得するに至ったの。本当に夢が叶ったのよ!」
「MSRは私の参戦に向け素晴らしいサポートを提供してくれていて、アデレードでのレースにも何度か招待してくれた。そこで何年にもわたってアデレード500や、もちろんF1も観戦して、国際的に注目を浴びるイベントの空気を体感することができた」
「そして12月には2度に及ぶテストの機会を得て、私は今後どんなことに取り組む必要があるか、スーパーカーのマシンをドライブする最適な方法は何かについて、じっくりと学ぶことができた」
「デビューイヤーになる今季はサーキットの習熟がTo Doリストの最上位になると思う。そこに焦点を当てながら、ひとつかふたつは表彰台が獲得できたら最高でしょうね」
そう語るイートンだが、今回の契約は開幕戦アデレード500のスポット参戦のみとなっており、本人は開幕戦のパフォーマンスをもって残るシーズンの契約にも前向きな展望を示している。
「もちろん、開幕戦への参戦が実現したことにとても興奮しているしワクワクするけれど、本当の仕事はまだ道半ばというところなの」と続けたイートン。
「私はアデレードの週末を通じて全力を尽くし、私を信じてくれたチームに対して何ができるかを証明しなくてはならないの。そして残るシーズンのグリッドにも並べるよう努力を続けていくつもりよ」
「このSuper2シリーズに関して、代表のマット(ストーン)と彼のチームはスペシャリスト集団であり、チームメイトのジョエル・ハインリッヒ(フォード・ファルコンFG-X)と、トップカテゴリーのVASCに参戦しているトッド・ヘイゼルウッド(ホールデン・コモドアZB)のマシンと合わせると3台体制でデータを活用することができる」
「2017年にはトッドがタイトルを勝ち獲っているし、比較できるノウハウが豊富に揃っている。戦うためのベースラインが整っているのは本当に心強いわ」
2月28~3月2日開催の開幕戦、アデレード500のSuper2グリッドには全20台のマシンが並ぶ予定となっている。