スペイン・バルセロナでの2019年第2回F1テストが3日目を迎え、多くのチームが午前中にパフォーマンスランを行い、ベストタイムを更新した。
ドライコンディションの2月28日、10チーム13人のドライバーがニューマシンのテストを行った。午前セッションで大部分のチームがソフト寄りのタイヤでショートランを繰り返し、午後にはロングランに移行している。
この日のトップはフェラーリのシャルル・ルクレールだった。ルクレールは午前セッションでファステストラップを連発し、最終的に最もソフトなC5タイヤで1分16秒231を記録。このタイムは、2018年スペインGPでハミルトンが記録したポールタイム(1分16秒173)からわずか0.058秒差だった。
ルクレールは138周を走りこんだが、午後のセッション終了まで残り約30分のところで、ターン8でマシンをストップ。エキゾーストのトラブルが発生したということで、これにより赤旗が出ている。
2番手に続いたのはトロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンだった。開幕戦でのデビュー前の最後のテストデーとなったこの日、アルボンは118周を走りながらマシンへの理解を深めた。自己ベストタイムは午前にC5タイヤで出した1分16秒882。この日、1分16秒台に入ったのは、ルクレールとアルボンだけだった。
マクラーレンのランド・ノリスが3番手。午前中は順調に走行したノリスだが、午後にエキゾースト関連とみられるトラブルが発生し、プログラムに影響を及ぼした。そのため84周の周回にとどまったが、午前セッションにC5タイヤで1分17秒084の好タイムを出している。
4番手タイムを出したのはレッドブル・ホンダのピエール・ガスリーだった。午前セッションにC5タイヤで自己ベスト1分17秒091を記録し、順調に走行していたガスリーだが、午後にターン9で激しいクラッシュを喫した。ガスリーはメディカルセンターで検査を受けた結果、身体に問題がないことが確認された。一方RB15は大きなダメージを負い、この日のうちに修理が不可能ということで、走行は切り上げられた。ガスリーはクラッシュは自分のミスによるものであると語っている。
チームは、テスト最終日にマックス・フェルスタッペンを走らせるために作業を急ぎ、修理を間に合わせるとのコメントを出している。
5番手、6番手にはルノーのダニエル・リカルドとニコ・ヒュルケンベルグが続いた。午後担当のリカルドは65周を走り1分17秒204(C5タイヤ)、午前担当のヒュルケンベルグは73周のなかで1分17秒496(C5タイヤ)を出した。ふたりとも、順調な一日だったとコメントしている。
レーシングポイントのランス・ストロールが、1分17秒556(C5タイヤ)で7番手。ストロールは午後にコース上でストップし、赤旗を出した場面もあった。
8番手はアルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィだった。71周のなかでジョビナッツィは1分17秒639(C5タイヤ)のタイムを出した。
ハースのテストを午後担当したロマン・グロージャンが9番手。午前を担当したケビン・マグヌッセンは12番手だった。マグヌッセンは53周を走行したものの、ランチブレークの間にエキゾーストのトラブルが見つかった影響で、グロージャンは終盤までコースに出ることができず、16周のみの走行にとどまった。ふたりのベストタイムは、グロージャンは1分17秒854(C4タイヤ)、マグヌッセンは1分18秒199(C3タイヤ)だった。
この日もメルセデスはロングランでのパフォーマンス向上に集中的に取り組んだ。午前に走ったルイス・ハミルトンが1分18秒097(C2タイヤ)で10番手、午後を担当したバルテリ・ボッタスが1分18秒862(C3タイヤ)と、ソフト寄りのタイヤでのアタックはしていない。しかしハミルトンが85周、ボッタスが96周を走りこみ、合計181周もの距離を走りこんだ。
11番手はウイリアムズのジョージ・ラッセルだった。新車導入が遅れたウイリアムズだが、テスト2では順調に距離を稼いでおり、ラッセルはこの日の最多周回数となる140周を走った。ベストタイムは午前に記録した1分18秒130(C5タイヤ)だった。