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「消滅都市」松岡禎丞&島崎信長、兄弟コンビをどう演じた? “苦境エピソード”も披露【インタビュー】

2019年02月28日 18:03  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

松岡禎丞さん、島崎信長さん
2019年4月より放送スタートするTVアニメ『消滅都市』。アニメ!アニメ!では、オンエアまでの特別企画として、主要キャストが作品の魅力や見どころを語る連載インタビューをお届け。

第4弾となる今回は、ヨシアキ役の松岡禎丞さん、ツバサ役の島崎信長さんという兄弟コンビ。キャラクターをいかに掘り下げるかで、それぞれの演技論や人物像が見えてくるインタビューとなった。お互いを下の名前で呼び合う、2人の仲の良さにも注目!
[取材・構成=馬波レイ/撮影=小原聡太]

※島崎信長さんの崎は、立つ崎が正式表記です。


『消滅都市』

2019年4月7日よりTOKYO MX、読売テレビ、BS11にて順次放送

■アニメではこれまで描かれなかったヨシアキとツバサの関係性も?
――おふたりは今回のアニメ化以前に、ドラマCDでも共演されていますね。

島崎
そうですね。ゲームでは、キャラクターとしてストーリーをいただいても声として演じさせていただく部分は少ないですから、ドラマCDでガッツリと演じさせていただけたときは嬉しかったです。
ただ、そのときは別録りだったので、こうやって顔を合わせて演じたのは今回が初めてなんです。

――なるほど。では、ツバサとヨシアキを再び演じることになったお気持ちは?

島崎
登場人物が多い作品だし、そもそも僕らに出番があるのかはわからなかったので、こんなふうにツバサとヨシアキをフィーチャーしていただけるなんて。同じスタジオで禎丞と一緒に収録にのぞめるとは思わなかったので、すごく嬉しかったです。


松岡
うん、嬉しかったです。ゲームだとタマシイでしたけど、アニメではまたそれとは違った形での登場なんです。
しかも、信長と一緒ということで収録日が来るのが待ち遠しかったですね。

――アニメの収録にあたって、キャラクターの捉え方や演技プランはありましたか?

島崎
ツバサに関しては、もともとシリアスなキャラクターだという印象を持っていたし、アニメでも基本的にはシリアスな雰囲気です。
ただアニメでは、団員たちと楽しく過ごしている姿も印象的で、めっちゃ好かれるリーダーだなと思いました。ユーモアがあって周りを楽しい雰囲気にできる素敵な人ですね。

僕は役を演じる時、相手との関係性を大事にしています。例えば、同じ性格で同じ立場の人でも、誰と話すかで話し方は変わってくる。
仲のいい人・悪い人、好きな人・嫌いな人、好きなんだけど好きって見せたくない人とか。

それがゲームだと(掛け合いではないので)ひとりひとりまで掘り下げきれないことが多くて。
本作でも、「仲間の団員たちひとりひとりに対してどう接しているんだろう?」「リーダーとしてどう振る舞っているのだろう?」といった周囲に対しての接し方は手薄だった部分なので、アニメの収録で「こんなふうに砕けた言い方をするんだ」と驚きもありました。

松岡
オンエア前なので詳しくは言えないんですけど……アニメではオリジナルな展開が用意されていますが、ヨシアキとツバサの関係性自体はゲームの設定を引き継いでいます。
なので、彼を演じるにあたって、ゲームからの流れですんなりと役に入れました。

また、自分も知らなかったふたりのエピソードが描かれたので、そこは嬉しかったです。
台本を読んで「ツバサはいいお兄ちゃんだなぁ」と思わず口に出てしまうくらいに。


→次のページ:キャラとの共通点、アフレコ現場の雰囲気は?

■キャラとの共通点、アフレコ現場の雰囲気は?
――アフレコ時のディレクションで印象的だったものはありますか?

島崎
さっきもお話した、団員たちとの普段の接し方ですね。ゲームだけだと固まっていなかった部分なので、思っていたより楽しくて温かい雰囲気だったのが面白かったです。
ただ単にクールだけではなく、周りからも慕われるようなカリスマ性がある人物だったのが印象的でしたね。

松岡
はじめに「ヨシアキは暗めの性格として演じなくてもいいですよ」というディレクションがありました。マジックショーのときも「観客をどんどん煽ってください」ということを言われたのを覚えています。

島崎
それはツバサとも通ずる部分があったのかも。ふたりとも重い境遇なので殺伐とした部分が強いのかと思いきや、少なくとも普段の振る舞いはそんなことを感じさせない。
そんな心の強さが、人を楽しませたり和ませたりする姿勢に出ているのかなと。人としてすごいよね。

松岡
ねえ(深く頷きながら)。

――ご自身とキャラクターで共通点や共感するところはありますか?

島崎
ツバサは、ロマンや楽しさを大事にしていて、自分の美学を持っている点が素敵ですね。合理性を考えたら省いてしまうような、無駄な部分までを大事にしている。僕もそうありたいと思います。
なにしろ怪盗団のリーダーですからね。ただの泥棒じゃなくて、エンターテイメント性を持たせながら華麗に振る舞う……僕も怪盗団を作ってみたいなぁ(笑)

松岡
(ボソリと)俺、真っ先に死ぬな。

島崎
あはは(笑)。


松岡
ヨシアキもマジシャンということで、人を驚かせること、楽しませることを生業としています。
僕も声優として、そういう思いを視聴者の方々に感じてほしいと思っています。
見てくれる方がいるからこそ、「次にどんなことをしよう?」と考えられる糧になる。そこは共感しますね。

あと同じなのは、本番前のドキドキ感ですね。毎回死にそうに緊張しながら収録に挑んでいます。

――そこまで緊張しているのは意外でした!

松岡
なにしろ同じ現場がひとつとしてないですから。毎回緊張の連続で怖さはあります。さすがに現場についたら覚悟を決めて挑みますけど(笑)。

――収録現場のお話が出たところでお聞きしたいのですが、アフレコ現場の雰囲気はどうですか?

松岡
これは声優あるあるなんですけど、アフレコ現場って、一度座り位置が決まるとそこを動かないんですよ。
とくに今回のアフレコブースは、特殊な作りで行き来がしにくかったこともあって、杉田(智和)さんとしかしゃべってなかったですね(笑)。

島崎
僕も収録があったときは、杉田さんか禎丞としゃべった記憶しかない(笑)。

松岡
アフレコ現場の雰囲気で言うと、作品自体はシリアスな世界観ですけど、和気あいあいとしていましたね。

→次のページ:経験したなかで最も悲しかった出来事と、それを乗り越えたエピソードは?


■経験したなかで最も悲しかった出来事と、それを乗り越えたエピソードは?
――『消滅都市』は、アニメ!アニメ!が2016年に実施した“アニメ化してほしいゲーム”アンケートのアプリ部門においては1位に選ばれており、今回のアニメ化はファン待望かと思います。ここまで人気を集める魅力は何だと思いますか?

【関連記事】「アニメ化してほしいゲームは?」アンケート、アプリ部門1位は『消滅都市』

松岡
この世界では未曾有の大災害が起こったわけですが、そうした中で、失ったものもあれば得たものもある。ユキとタクヤのように、自分たちの運命に抗っていく姿が、多くの共感を呼ぶのではないかと思います。
それに、ひとりひとりのキャラクターに緻密なバックボーンがある。そのことが、プレイヤーの人生のどこかにマッチングする部分があるのかなって思います。勇気をもらえる作品ですよね。

島崎
禎丞が言ったのと近いんですけど、作品の世界観や登場人物のバックボーンや存在理由がしっかりと描かれているから、作品で描かれる世界の説得力、つまりリアリティを感じられる。

だからこそ共感できるし、心が動かされるんじゃないかと思っています。
作品そのものにリアリティがあるからこそ、ゲームでは描かれない部分が見てみたい気持ちにさせられるんじゃないかな、と。

――では最後に、「だけど、生きていく。」という『消滅都市』のコピーにちなんだ質問をさせてください。このコピーには「どんなに悲しいことがあっても乗り越える」というメッセージが込められているそうですが、おふたりが思い出す一番悲しかった出来事と、それを乗り越えた方法を教えてください。重いものでも、ライトなものでも。

島崎
なんだろうなぁ……。あ、身近なところで言うと、これは最大限気を付けてはいることなんですが「遅刻」です。
やっぱり人間なのでどんなに気をつけても寝坊してしまうことがあるんです……。遅刻した日、周りの皆さんが温かく許してくれても、自分自身は辛さが残ります。

気持ちの整理が付かなくても、時間は過ぎていくし、仕事はやってくる。
なので「それでもやるしかない!」と頑張るほかないわけです。

――気持ちの切り替えは早いほうですか?

島崎
早いほうだと思います。マイク前に立ったら気持ちはパッと切り替わります。
ただ、現場を終えての移動中とかに引きずることはありますね。

それでも、僕たちがやらせていただいている「声優」というお仕事は、代わりがきかないものなので「やるしかない」という状況になることが多い。
だからこそプレッシャーはありますけど、ありがたいとも思っています。


――ありがとうございます。松岡さんはいかがですか?

松岡
そうだなぁ……駆け出しの頃、アフレコ中の制作スタッフさんからの言葉が、ディレクションなのかダメ出しなのか、その違いがわからなくて。
すべてがダメ出しだと思って怖がっていた時期があったんです。

今なら「ここはこう表現したいからもう1回お願いします」ならディレクション、「ここが言えてなかったからもう1回」がダメ出しという違いがわかりますけど。
それをちゃんと理解していれば、あのヤキモキしていた時期はなかったのかと思いますね。


――経験値が足りていなかった?

松岡
何度やってもOKが出ずに「あとはこっちでなんとかします!」と言われるとものすごくヘコんだり……それを次の現場まで引っ張っていくのはプロとしてどうなんだということになるので。
切り替えという意味では、とにかく前を向いて進んでいくしかないです。幸いなことに僕、寝ると忘れるんです(笑)。

島崎
睡眠、大事だよね! 睡眠を取らないと些末なことに苛立ちを覚えちゃったり、自分の能力も下がる。
どんなに追い込まれても体と脳を休ませる睡眠は大事ですね。

――では最後に、これからTVアニメ『消滅都市』を見る方に向けてのメッセージをお願いします。

松岡
大枠の設定はゲームの『消滅都市』を踏襲しているので、知っている方ならすんなりと世界観に入っていけると思うし、皆さんが待ち望んだものになっていると思います。
加えて、アニメならではの表現や驚きの展開も待ち受けています。

我々役者陣はひとつひとつのエピソードを真摯に演じさせていただきましたので、これから始まるアニメ『消滅都市』を1話から最終12話まで、お付き合いいただけたらと思います。ぜひ楽しみにしていただきたいです。

島崎
アニメ『消滅都市』はゲーム版を何よりも大切にしつつも、そこから切り離してもちゃんと1本のアニメ作品として成立するものになっています。
原作の世界観が緻密なので、楽しさや、心を動かすものを受け取れる作品だと思います。

ゲームを体験済みの方は、楽しさだけでなく、意外さも感じてもらえると思います。
皆さんには、アニメもゲームも合わせて楽しんでもらえればと思います。

『消滅都市』
【放送情報】
TOKYO MX 4月7日より毎週日曜23:30~
読売テレビ 4月8日より毎週月曜26:29~
BS11 4月7日より毎週日曜25:00~

【配信情報】
FOD にて4月7日 23:30~ 独占配信

【TV Animation Staff】
原作:消滅都市(WFS)
監督:宮 繁之
シリーズ構成:入江信吾
キャラクターデザイン:下谷智之
音響監督:本山 哲
音楽:川井憲次
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:マッドハウス

OP主題歌「答」
歌:阿部真央
作詞・作曲:阿部真央
編曲:akkin

ED主題歌「With Your Breath」
歌:SPR5(CV:社本 悠、岩井映美里、直田姫奈、大西亜玖璃、園山ひかり)
作詞:太田彩華、俊龍
作曲:俊龍
編曲:山口高始

【商品情報】
発売日:2019年4月24日
商品仕様
With Your Breath【初回限定盤】
金額 1,800円+税
品番 PCCG.01769
映像特典 「With Your Breath」Music Video/「With Your Breath」Making Video

With Your Breath【通常盤】
金額 1,250円+税
品番 PCCG.70450

□収録内容
M1. With Your Breath
作詞:太田彩華、俊龍 作曲:俊龍 編曲:山口高始
M2. タイトル未定
M3. With Your Breath(Instrumental)
M4. タイトル未定(Instrumental)

【Cast】
ユキ:花澤香菜
タクヤ:杉田智和
アキラ:中村悠一
ソウマ :朝井彩加
エイジ:新垣樽助
キキョウ:愛美
ギーク:西村太佑
ユミコ:中恵光城
コウタ:高橋 信
タイヨウ:高橋英則
ツキ:今井麻美
スズナ:佐倉綾音
ヨシアキ:松岡禎丞
ツバサ:島崎信長
ルイ:KENN
スミレ:日岡なつみ
ジャック:伊丸岡 篤
カナ:久保ユリカ
リョウコ:黒沢ともよ
ユウジ: 鈴木崚汰
ケイゴ:てらそままさき
シュンペイ:山谷祥生
ホムラ:社本悠
ナミ:岩井映美里
ハルカ:直田姫奈
レナ:大西亜玖璃
ユア:園山ひかり


(C)Wright Flyer Studios/消滅都市製作委員会