エン・ジャパンは2月27日、「社内失業」に関するアンケート調査結果を発表した。調査期間は2018年12月26日~2019年1月29 日で、801社から回答を得た。
社内失業とは、労働者が正社員として企業に在籍しながら、仕事を失っている状態を指す。2011年の内閣府調査によれば、全国の労働者の8.5%にあたる465万人が該当するという。
業種別ではメーカー28%、企業規模「1000人以上」が41%で最多
「社内失業という言葉を知っていますか?」と聞いたところ、74%が「知らない」(人称だけ知っているが意味は知らない:28%、知らない:46%)と回答した。
社内失業の意味を伝えた上で、「現在、社内失業状態の社員はいますか?」と聞くと、全体で23%が「いる」(いる:6%、いる可能性がある:17%)と回答。「いない」は64%で、「わからない」は13%だった。
業種別に見ると、「いる」(「可能性がある」を含む)の割合が最も多いのは「メーカー」で28%だった。企業規模別では、「1000人以上」が41%と最多で、100~299人は24%と、企業規模が小さくなるほど社内失業状態の社員は少ない。
「社内失業者がいる」と回答した企業に、社内失業者の属性を聞くと、最多の年代は「50代」(57%)、役職は「一般社員クラス」(80%)、職種は「企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務 他)」(46%)という結果だった。まとめると、役職のないデスクワークの50代社員に多いと言える。
社内失業者が発生する要因を問うと、「該当社員の能力不足」(70%)が最多だった。次いで、「該当社員の異動・受け入れ先がない」(51%)が続く。つまり、能力が低く活かせる部署がない状態だ。
「やる気の無さや意識の薄さをどのように改善させていけばよいのかが課題」
なお、社内失業状態の社員へは、次のような悩みが寄せられた。
「仕事をしている風のまま、定年を目指しているように感じる。やる気の無さや意識の薄さをどのように改善させていけばよいのかが課題である。」(IT・情報処理・インターネット関連/100~299人)
「社内失業している本人はとてもわがままで、好きな仕事しかせず、嫌なことはやらない。さらに2週間ほど平気で休んだり、遅刻が多かったり、本当は解雇したいが、モンスター社員なので、訴訟を起こされる可能性があり、解雇できない。」(運送業/300~999名)
「配属の先の現場で苦情が多く、本社で引き取った社員がいるが、単純な事務部門でも引取りを拒まれている。」(サービス関連/1000人以上)
「成果が出なくても他の人と同じ基本給がもらえるので、比べたとき周りの士気を下げてしまう可能性がある。」(金融・コンサル関連/100~299人)
新しい仕事の変化についていけない古参社員など、社内失業者の実態が浮き彫りになった。企業は手を施そうと検討・対応するも、「社内失業者本人の改善意識が希薄で苦悩する様子が伺えます」と調査元と伝えている。