マクラーレン・レーシングは、27日、フェルナンド・アロンソとアンバサダー契約を結んだことを発表した。その契約の一環として、アロンソが2019年型および2020年型のF1マシンの開発に協力し、テスト走行を行うことをチームは明らかにした。
アロンソは2015年にフェラーリからマクラーレンに移籍、2018年までレースドライバーを務めたが、2019年はF1に参戦しないことを決めた。しかし2017年に続いて今年もマクラーレンと共にインディアナポリス500に挑戦することが決まっており、両者の関係は継続している。
マクラーレン・レーシングはその関係をさらに強化すべく、アロンソをアンバサダーに迎えることを決定、「広範囲にわたる契約」を結んだと発表した。アロンソはドライバーやエンジニアたちにアドバイスを与えるほか、2019年型マシンMCL34と2020年型MCL35の開発をサポートするため、何度かテストでマシンに乗る予定だということだ。
マクラーレン・レーシングのチーフエグゼクティブ、ザック・ブラウンは、今回の発表について次のようにコメントしている。
「フェルナンドはマクラーレンファミリーの一員だ。チームの歴史のなかに彼の存在を確立させており、今後もマクラーレンのストーリーにおける彼の章を綴っていく人物だ。したがって、2度のチャンピオンであるミカ・ハッキネンと同様に、マクラーレンのアンバサダーのステータスを正式に彼に与えることは極めて適切なことであると考える」
「いかなるレースチームであっても、フェルナンドのクラスの人物が、その経験を通してサポートしてくれることは大きな価値がある。彼の洞察力と全体を見通せる力は、ふたりのドライバーやエンジニアにとって歓迎すべきものであり、彼の才能と人柄は、我々のパートナーやファンに大きな魅力を発揮する」
■「アロンソのフィードバックが楽しみ」と代表。具体的なテストスケジュールは未定
アロンソは「マクラーレンのアンバサダーになることは本当に名誉なことだ」と語った。
「この数年は苦戦しているが、マクラーレンが特別なチームであることは変わらない。僕は昨年末でF1活動を継続することをやめたものの、その前に『マクラーレンとの関係は長期的に続く』という考えを明らかにしていた。だからこの新しい役割を得て、自分の精神的故郷であると感じるこのチームに今後も深くかかわっていけることを喜んでいる」
「今年はインディ500に参戦するが、それは始まりにすぎない。これから僕らは一緒にたくさんの活動を行っていくことができるだろう。僕は特に若い才能ある人々を育てることに強い情熱を抱いている。それが自分自身のチームのことであっても、マクラーレンの若い世代のF1ドライバーが真のポテンシャルを発揮できるよう助けることであっても、ぜひとも力を注ぎたい。僕にとってもチームにとっても大事なことであり、僕にとってやりがいがある仕事だと思う」
第2回プレシーズンテストが行われているスペイン・バルセロナにアロンソは登場、その後、今回の発表が行われた。ブラウンはSky Sportsに対し、具体的にどのテストでアロンソを走らせるのかはまだ決まっていないとコメントしている。
「我々は今、復活を目指している。そのために私は最高の才能を持つ人材を揃えようとしている。そのパズルのなかで、フェルナンドは非常に重要なピースだ」とブラウン。
「今年のテストは今のところ非常に好調だ。今季型マシンを作るにあたり、昨年フェルナンドから得たフィードバックから多くの要素を取り入れた」
「彼にこのマシンに乗ってもらう日が来るのが楽しみだ。ぜひ貴重なフィードバックをもらいたい」