トップへ

『ブラック・クランズマン』スパイク・リー監督、プリンス未発表曲起用の経緯を明かす

2019年02月28日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 3月22日に公開される映画『ブラック・クランズマン』の監督を務め、第91回アカデミー賞では脚色賞を受賞したスパイク・リー監督が、プリンスの未発表曲「Mary Don’t You Weep」を本作のエンドロールに起用した経緯を語った。


参考:動画はこちらから


 リー監督最新作となる本作は、1979年に黒人刑事が過激な白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査するという、大胆不敵な事件を克明に綴った同名ノンフィクション小説を映画化したもの。主人公ロン・ストールワースを、デンゼル・ワシントンを実父にもつジョン・デヴィッド・ワシントンが演じるほか、アダム・ドライバーやローラ・ハリアー、アレック・ボールドウィンらが出演。監督・脚本・製作のリーに加え、『セッション』のジェイソン・ブラム、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールが製作に名を連ねた。


  本作のエンドクレジットで流れるのは、プリンスが歌う「Mary Don’t You Weep」。本楽曲は、苦難ばかりの黒人たちを慰め、励ましてきた霊歌で、プリンスが生涯世に出すことのなかった未発表曲。リー監督とプリンスは友達でお互いのファンであり、過去にはリー監督がプリンスのミュージック・ビデオを手がけ、またリー監督の映画『Girl 6』(1996年)のサウンドトラックにはプリンスの楽曲が使われ、この作品のために新たに書き下ろされた楽曲もあった。


 2016年の4月にプリンスが亡くなると、リー監督はブルックリンにあるプリンスの事務所のすぐそばでブロックパーティーを開催。大勢の人が集まり、彼の音楽に酔いしれ盛り上がり、このパーティーは毎年行われるようになった。インタビューでリー監督は、「エンドロールの歌が必要なのはわかっていたんだ。プリンスの遺産管理団体のアドバイザーであるトロイ・カーターと親しくなって、トロイを関係者試写に招待したんだ。映画を観終わってトロイが『スパイク、良い曲があるよ』と言ったんだ。それが80年代半ばにカセットテープに録音されていた『Mary Don’t You Weep』だったんだ」と、楽曲を映画に起用することになったきっかけを明かしている。「プリンスはこの歌を僕に使ってほしかったと思う。誰がなんと言おうと気にしないよ。マイブラザー・プリンスはこの曲をこの作品のために僕に使ってほしかったんだ。説明はいらないよ」と熱く語るリー監督は、2月24日(日本時間25日)に行われた第91回アカデミー賞授賞式に、胸にプリンスのシンボルを掲げ臨んだ。 (リアルサウンド編集部)