スペイン・バルセロナでの2019年第2回F1テストが2日目を迎え、全10チームの合計13人のドライバーがニューマシンで周回を重ねた。この日、最速タイムを記録したのは、マクラーレンのカルロス・サインツJr.だった。
引き続きドライコンディションに恵まれた27日、サインツは午前中にC4タイヤでショートラン中にマークした1分17秒144で、この日のトップに立った。このタイムはここまでのテスト6日間総合での最速だった。サインツは午前のセッションで水圧低下によりピットレーン出口付近でマシンをとめ、この日初めての赤旗の原因を作った。しかしその後は順調に周回を重ね、この日最多の130周を走りこんでいる。
2番手に続いたのはレーシングポイントのセルジオ・ペレス。88周を走るなかで、ペレスはセッション終盤に自己ベストタイムを更新、C5タイヤで1分17秒842をマークした。
フェラーリは、午前中にはセバスチャン・ベッテル、午後にはシャルル・ルクレールというスケジュールでテスト2日目に臨んだ。しかしベッテルは41周目を走行中にターン3でコースオフ、バリアに激しく衝突。ベッテルはメディカルセンターで検査を受けたが、幸い怪我はなかった。フェラーリによると、メカニカルトラブルが発生したとのことで、ベッテルも走行中にマシンに異常を感じたと語っている。
マシンの回収とバリア修復のためにセッションは30分以上中断。フェラーリはトラブルの調査とマシンの修復に約5時間を要し、午後担当のルクレールは、セッション残り約10分というところでコースに出たものの、インスタレーションラップ1周のみしかできずに終わった。ベッテルは合計40周を走行、1分18秒195(C3タイヤ)で3番手となった。
4番手はアルファロメオのキミ・ライコネン。113周を走りこんで午後に1分18秒209(C4タイヤ)のタイムを出したライコネンだが、チェッカーフラッグが振られた後にコース上でストップしている。
ハースのロマン・グロージャンが5番手。午前は9番手だったグロージャンは、セッション終盤にC5タイヤで走り、1分18秒330でポジションを上げた。周回数も120周を走りこんでいる。
6番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンだった。午前中にはピットレーン出口でストップ、午後にはレースシミュレーション中にコースオフを喫し、フェルスタッペン自身、「完璧な一日ではなかった」と認めている。コースオフの後、自力でピットに戻れたものの、マシンのチェックのためにガレージでしばらく待機しなければならなかった。それによって走行時間をロスしたが、フェルスタッペンは合計128周を走っている。自己ベストタイムはC3タイヤで午前中に出した1分18秒395だった。
トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが7番手に続いた。クビアトのベストタイムは午後にC4タイヤで出した1分18秒682。トロロッソには午前中、いくつか小さな問題が発生して走行時間を少しロスしたが、それでもクビアトは101周を周回した。
8番手はバルテリ・ボッタス、9番手はルイス・ハミルトンと、メルセデス勢が続いた。前日に大規模な空力アップグレードを持ち込んだメルセデスは、そのパッケージのテスト初日に油圧系の問題により走行時間を大幅に失った。しかし2日目には順調に周回を重ねて、ロングランを中心にテストを進めた。ふたりの合計周回は176周で、チーム別の周回数で最多だった。午前を担当したボッタスは74周のなかで1分18秒941(C3タイヤ)、午後担当のハミルトンは102周を走りこみ、1分18秒943(C3タイヤ)と僅差で続いた。
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグが10番手、ダニエル・リカルドが12番手だった。午前担当のリカルドはロングランに徹して72周を走行、最もハードなC1タイヤでの1分22秒597が自己ベストタイムだった。午後に走ったヒュルケンベルグもロングランが中心だったが、C3タイヤでのラップで1分19秒056をマーク。合計周回数は58周だった。
11番手はウイリアムズのロバート・クビサだった。クビサは130周と、サインツに並ぶこの日最多の周回数を走った。ウイリアムズは2日連続で100周を超える距離を走行、テストの後れを取り戻そうとしている。クビサのベストタイムは午後にC5タイヤでマークした1分19秒367だった。