モンスターエナジーNASCARカップは2月24日、アトランタ・モーター・スピードウェイで第2戦が行われ、ブラッド・ケゼロウスキー(フォード・マスタング)が優勝を飾り、マスタングにデビュー2戦目で勝利をもたらした。
2019年シーズン第2戦となるアトランタ。開幕戦の舞台となったデイトナとは違い、NASCARのシリーズ戦で一般的な1周1.5マイル前後(2.4キロ前後)のオーバルを舞台に争われた。
予選ではフォード陣営が速さを発揮し、アリック・アルミローラ(フォード・マスタング)がポールポジションを獲得。2番手にリッキー・ステンハウスJr.(フォード・マスタング)、3番手にクリント・ボウヤー(フォード・マスタング)が続き、フォードがトップ3を独占する立ち上がり。
レースは85周、85周、155周の3ステージ合計325周で争われ、ステージ1はアルミローラとカイル・ラーソン(シボレー・カマロZL1)がトップ争いを展開。終盤に抜け出したラーソンが4.35秒のリードでトップチェッカーを受けた。
ステージ1とステージ2のインターバル中、上位陣は給油とタイヤ交換のためにピットへ。ここで順位が入れ替わり、ケビン・ハービック(フォード・マスタング)がトップ、2番手にラーソン、3番手にカート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)が続く形に。
また、ステージ1で3位に入っていたアルミローラは、このピットイン時に速度超過があったとしてペナルティを受けている。
このステージ2ではハービックとラーソンがトップ争いを演じ、互いにポジションを奪い合いながらレースは進行していくが、ステージ終盤の161周目にラーソンへ接近したハービックがオーバーテイクに成功すると、そのまま逃げ切りステージ2を制した。
最終ステージ3の序盤もイエローコーションが出ない展開となったが、226周目にカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)がパンクからクラッシュしてイエローコーション。
さらに残り45周を切ったところで、各車がルーティンのピットを迎えると、ピットレーンで2台のマシンが交錯するアクシデントが発生。ふたたびイエローコーションが出される展開となった。
282周目を迎えた段階でトップはロガーノ(フォード・マスタング)、2番手にカート・ブッシュ(シボレー・カマロZL1)、3番手にケゼロウスキーが続く形となる。
3番手のケゼロウスキーは目の前を走るカート・ブッシュを攻略すると293周目、チームメイトのロガーノを攻略して、この日初めてラップリーダーに浮上。その後、ロガーノがタイヤがしっかり取り付けられていなかった影響か、緊急のピットインを強いられたこともあり、チェッカーまで残り10周の段階で2秒のリードを築いてみせる。
しかし、残り10周を切った段階で、2番手のマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)が猛チャージをみせ、チェッカーまで2周の時点でギャップはわずか0.181秒に短縮。
勝負はファイナルラップに持ち込まれたが、ターン4立ち上がりでラインをブロックしたケゼロウスキーが逃げ切りフィニッシュ。自身通算28勝目となる2019年シーズン初優勝を飾った。
フィニッシュ後、ケゼロウスキーは「デブリの上を通過した影響かわからないが、残り50周くらいはオーバーヒートに苦しんでいた。フィニッシュまでエンジンがもつかどうかわからない状況だったんだ」とマシンが万全の状況ではなかったことを明かしている。
「最後の一滴まで力を出し切って戦い抜いたという感じさ。それでも僕は今ビクトリーレーンに立っている。だから結果オーライだよ」
同じ週末に開催された下位シリーズのNASCARエクスフィニティ第2戦では3番手スタートだったクリストファー・ベル(トヨタ・スープラ)がステージ1~3すべてを制する圧倒ぶりで優勝。スープラに初勝利をもたらすとともに、トヨタにエクスフィニティ通算150勝目をもたらした。
またガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズではスポット参戦したカイル・ブッシュ(トヨタ・タンドラ)が優勝し、シリーズ最多となる通算52勝目。エクスフィニティ、カップシリーズをあわせた通算優勝回数を195とし、200勝の節目に残り5勝まで近づいている。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第3戦は3月3日、ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで決勝が開催される。