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マーゴット・ロビー続投のスピンオフ作は大暴れに期待? ハーレイ・クインの歴史と魅力を振り返る

2019年02月27日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 数あるアメコミ映画の女性キャラの中で、断トツの人気を誇るのがハーレイ・クインでしょう。映画『スーサイド・スクワッド』でマーゴット・ロビーが演じ、そのビジュアルとぶっとんだ性格で多くのファンを獲得しました。ハロウィン等でこのキャラのコスプレをする女性も増えています。


参考:マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインのセクシーな魅力


 しかし彼女は正義のヒーロー側ではありません。ヴィラン(悪役)なのです。バットマンの宿敵・ジョーカーの相棒(恋人)であり、彼によって作り出された女ジョーカー的存在。元々はハーリーン・クインゼルという心理学者であり、サイコパスとして収監されていたジョーカーを診察していましたが、逆に彼にとりこまれ悪の道に走りました。ジョーカー自身、犯罪は究極のジョークと考えており、狂気と笑いが入り混じった残酷な劇場型犯罪を仕掛けてきます。ハーレイ・クインも道化をイメージした衣装、メイクでショウアップされた犯罪でバットマンたちを襲います。


 意外なことにハーレイ・クインはコミック原作ではなく、90年代に作られた「バットマン」のアニメ・シリーズで生み出されたオリジナル・キャラ。そこで人気が出てコミックの方にも登場します。アニメ世代を意識したキャラといえるかもしれません。映画もマーゴット・ロビー版ハーレイ・クインがあまりにキュートでかっこよかったので、再登場を望む声が多くいくつかの企画が発表されたのですが、まず2020年2月7日にハーレイ・クインを主役とした『Birds of Prey』が全米公開されます。このBirds of Preyというのは猛禽類という意味ですが、DCコミックの世界ではバットガールらによる女性ヒーロー・チーム。このコミックを元にしたTVドラマ・シリーズも作られており『ゴッサム・シティ・エンジェル』のタイトルで日本でも紹介されました。


 とここまで書いて、あれ、ハーレイ・クインが主役なのになぜヒーロー・チーム名がタイトルなの? と思われる方もいらっしゃるでしょう。実はこの映画の本当のタイトルは“Birds of Prey(and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)”と言われており、( )内の意味は“そしてハーレイ・クインの素晴らしい解放”です。このEmancipation=解放・離脱というのがポイントで、これはつまりハーレイ・クインがもうスーサイド・スクワッドの1メンバーでも、ジョーカーの恋人としてでもなく、しがらみから脱して一人の独立した存在として活躍するということを示唆しているわけです。


 なおこの映画には、タイトルの“バーズ・オブ・プレイ”側として格闘技の達人で口から超音波を発するという設定もあるブラックキャナリー(ジャーニー・スモレット=ベル)、クロスボウを使うハントレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、凄腕女刑事のレニー・モントーヤ(ロージー・ペレス)、コミックではバットガールになるカサンドラ・ケイン(エラ・ジェイ・バスコ)らが登場。“バーズ・オブ・プレイ”の面々とハーレイ・クインが闘う(?)一方、ユアン・マクレガーがローマン・シオニス、またの名をブラックマスクというヴィランを演じ、その片腕となるサイコな殺し屋のビクター・ザーズ役にクリス・メッシーナ(『アルゴ』『夜に生きる』)を起用。ブラックマスクは、元化粧品会社のCEOでギャングとなり黒いドクロのようなマスクをかぶって犯罪に手を染めます。暗黒街のボスです。正義の“バーズ・オブ・プレイ”と悪のハーレイ・クインが共闘して、もっと邪悪なブラックマスクに立ち向かうという展開でしょうか? 映画はR指定も視野に入れた“ガールズ・ギャング映画”との噂もあり、ハーレイ・クイン大暴れの痛快アクションになりそう。


 これとは別にワーナー(DC)は、マーベルで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2作を手掛けたジェームズ・ガン監督による『ザ・スーサイド・スクワッド』(『スーサイド・スクワッド』の続編。1作目には“ザ/THE”がつかないのです。2021年8月6日全米公開予定)を準備中ですが、ここにもマーゴット版ハーレイが顔を見せるとの噂。またハーレイ・クインを主人公にしたアニメ・シリーズも配信予定で、ハーレイ・クインを推していることがわかります。ハーレイ・クインをいいあてた表現の一つに“アメコミの中に登場した、大人になったドキンちゃん”というのがありますが、まさにそれ。かわいくてかっこよくてビジュアル的にもおしゃれで、好き放題暴れまわる……これだけ魅力的な要素をもったキャラですから好きにならずにはいられませんよね。2020年、スクリーンでのハーレイ・クインとの再会が楽しみです。 (文=杉山すぴ豊)