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MotoGP:“不仲”コンビ解消で打倒ホンダへ。ドゥカティ代表、ライダーふたりには「より緊密に仕事を」

2019年02月26日 19:01  AUTOSPORT web

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2019年シーズンは新コンビでMotoGPに挑むドゥカティ
イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーのMotoGPコラム。MotoGPオフィシャルテストで見えた各メーカーの動きをオクスリーが分析する。

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 2019年シーズン、ドゥカティはホンダとのMotoGPタイトル争いにおいて、これまでよりも優れた仕事ができることを期待している。2017年にはチャンピオン候補と目されていたが、結果が伴わなわず、2018年も王座獲得はならなかった。

 理論上、2019年シーズンのホンダに挑むのはかつてないほどに難しいことだ。マルク・マルケスとホルヘ・ロレンソというチャンピオンライダーがホンダRC213Vに乗るからだ。しかし、ドゥカティはドヴィツィオーゾと新加入のダニロ・ペトルッチが、2018年のラインアップよりも団結し、ひいてはより強いチームを作ることを期待している。

「アンドレアとダニロには、より緊密に仕事をしてほしいと考えている」とドゥカティのゼネラルマネージャー、ルイジ・ダリーニャは語っている。

 ダリーニャが正しいと誰に分かるだろう。結局のところ、彼は愚かではないのだ。多くのことはレプソル・ホンダのガレージで何が起こるかによるが、ドヴィツィオーゾとペトルッチは冬の間、一緒にトレーニングを行うなど、密接に仕事をしている。何が起ころうとも、対照的なチームの動向を見守るのは興味深いことになりそうだ。

 ドヴィツィオーゾはロレンソというチームメイトを失ったことを悲しんではいない。ふたりが不仲だったことは広く知られている。

 ドヴィツィオーゾは「ホルヘのデータを学ぶのはとてもポジティブなことだった。彼がバイクにしていることにはいつも何か特別なことがあったんだ」とロレンソについて話した。

「ある意味では彼がいなくて寂しいかもね。なぜなら彼のデータを見られないから。その他の意味では、彼がいなくて寂しいとは思わないよ」

 ドヴィツィオーゾは2017年に6回優勝を飾ったが、2018年は、別種の小さな違いがあったために、優勝はたったの4回だった。ミシュランがレースタイヤを柔らかくしたため、彼はそれに足をすくわれてしまったのだ。

「僕たちは適切な基本セッティングを見いだすのに、多くのレースを必要とした。なぜなら2018年にミシュランはリヤタイヤを少し変えたからだ。違いが出るのに十分なほどにね」

「それにレースで僕たちは空力フェアリングを使ったり使わなかったりした。そのせいでセッティングと僕のライディングスタイルを変え続けなければならなかったから、あれはよくなかったね。6月のバルセロナの後、空力フェアリングを使い続けることを決め、セットアップを適切なものにしようとした。それに僕のライディングスタイルにも取り組んだ」

「僕たちが(8月のブルノから)また勝ち始めた頃、誰もが何か大きな変更を行ったのだと考えた。でもすでに高いレベルにあったら、何か大きな変更をすることは不可能だ。僕たちが好結果を出したのは、あちこちで小さな変更を施すために、すべての細部について分析し取り組んだおかげだ。それに僕のライディングについてもだ。主にライン取りと、スロットルの開け方についてね。でもそれはとても難しいことだった。本当に難しかった」

 マルケスとロレンソを純粋に才能だけで打ち負かすのは確かに簡単なことではない。だがドヴィツィオーゾとダリーニャは、彼らにアドバンテージをもたらすかもしれない特別な取り組みを行った。そしてデスモセディチGPがコーナー中盤で速度が遅くなることには、前向きな点もあった。なぜならバイクがタイヤのエッジをそれほど使わずにすむからだ。近年のMotoGPではタイヤ寿命がすべてなのだ。だがもちろん、それほど簡単なことではない。

「変更したのは、リヤタイヤを酷使しないセットアップにするということではない。なぜならタイヤを酷使しないセットアップというものは存在しなんだ。僕が速さを出し、タイヤを酷使しないですむセットアップにすることがすべてなんだ」

■ドゥカティ代表ダリーニャ「我々にはいくつかアイディアがある」
 ダリーニャの一番の技術的焦点は、2018年シーズンおよびその前のシーズンと同じだ。それは中速コーナーでのコーナリングにある。

「我々はコーナー中盤において他チームとの間にある差を再度縮めたいと考えている」とダリーニャ。

「差は大きくはないが、ライディングの段階においては他チームにアドバンテージがある。我々にはいくつかアイディアがあるんだ。シャシー剛性や重心などについてだ」

「一番の問題は、すでに我々が強い領域で問題を生み出すことなしに、中速コーナーでの問題を軽減することだ。高いレベルにあるのなら、何かを変える時は確実に正しい方向へ進まなければならない。さもなければ、道を見失うのはいとも簡単なことだ」

 ライダーとエンジニアが、バイクとタイヤから最高の性能を引き出すために、これまで以上に緊密に仕事をすることが重要だ。

 ダリーニャはバイクの細部に取り組むと同時に、独創的な考えを持っている。それはドヴィツィオーゾ、ペトルッチに加え、プラマックレーシングのジャック・ミラーが、トルクアーム(トルクロッド付きスイングアーム)を2018年11月のヘレスオフィシャルテストで試したことからも分かる。

 この仕掛けのカギはリヤにあり、トルクアームはブレーキング中のリヤグリップを増大させる。これは2019年にドゥカティの大きなアドバンテージになるかもしれない。

 フロントのブレーキンググリップはすでに100パーセントを超えており、ライダーたちはほとんどのコーナー進入時にフロントタイヤをロックさせている。もしドヴィツィオーゾが制動力を増すためにリヤブレーキとリヤタイヤを使えるとしたら、彼はブレーキングで誰もに勝つだろう。