PR会社「エデルマン・ジャパン」は2月26日、世界27か国を対象にした「2018エデルマン・トラストバロメーター」の日本の調査結果を発表した。調査は昨年10月から11月にかけて、3万3000人を対象に実施。このうち6200人は、25歳から64歳で学歴が大卒以上、世帯収入が各国の同世代と比較して上位25%以内で、少なくとも週に数回はビジネスや公共政策に関するニュースを見たり読んだりしているか関心を持っている層「知識層」である。
調査では、組織への信頼度を回答者に1~9の9段階で評価してもらい、6~9と回答した人を「信頼している」に分類。各組織に「信頼している」と回答した人の割合を平均し、「組織に対する信頼度」を算出している。
この結果、日本で最も信頼されている組織は「自分の勤務先」(59%)だった。このほか、企業は44%、政府は39%、NGO・NPOが38%、メディアは35%だった。
「5年後は良くなっている」と答える割合は27か国中最低
自国への信頼度は、知識層と一般層で調査史上最大の格差があることも明らかになった。これらの組織を「信頼している」と答えた知識層は53%だったのに比べ、一般層では37%。この16ポイント差は、一般層の信頼度がこれまで同様に低迷しているのに比べ、知識層では大幅に上昇していることに由来するものと見られる。
知識層・一般層ともに約6割が現在のリーダーや社会制度に不信・不公平感を抱いているものの、変化への欲求は知識層62%、一般層49%と差が見られた。将来への失望感は知識層21%、一般層33%と、どちらもあまり高くはなかった。
調査では、性別によって組織への信頼に差があることも明らかになった。日本の女性は、自国への信頼度が34%、NPO・NGOが32%、企業が40%、メディアが30%という結果だったが、男性は自国44%、NPO・NGO 43%、企業47%、メディア41%となっている。政府、メディア、NGOの3つで信頼格差が大きい。世界的に見てもこれら3つの差は、男女の信頼格差が大きい国トップ3に入っている。
海外からの日本企業への信頼度は、日本を除く26か国で上昇した。特に中国は前年比プラス22ポイント、ロシアはプラス20ポイントと大幅に伸びている。
「自分と家族の経済的な見通しについて、5年後の状況が良くなっている」と答えた日本人回答者は、知識層38%、一般層16%と低く、調査対象国の中でも最も悲観的だった。